酒造りの工程におけるIoT技術を用いた品質管理・技術承継の検証 | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
酒造りの工程におけるIoT技術を用いた品質管理・技術承継の検証

酒造りの工程におけるIoT技術を用いた品質管理・技術承継の検証

人材確保・育成 人材確保・育成

プロジェクトチーム

  • 石川酒造株式会社
  • 株式会社ドコモビジネスソリューションズ
  • 株式会社コシダテック

背景

清酒製造業者は99%以上が中小企業であり、事業者数は減少傾向にあります。杜氏(酒造りの責任者)の高齢化・後継者不足は深刻で、経験や勘、感覚による属人化された業務が多く、ノウハウ・技術承継が困難となっています。
特に、酒造りの工程において品質管理の肝となる温度・湿度の管理業務のデジタル化は進んでいないと言われています。

取り組み内容

東京都の蔵元の90%が集積している多摩地域において、DXを活用した技術承継のあり方について検証を行います。
具体的には、杜氏の判断基準の要素となる温湿度データを、IoT機器により自動で取得・蓄積し、技術・ノウハウの可視化を図ります。また、温湿度データの自動取得による省力化により、労働環境の改善や担い手不足の解消に寄与できるか、また杜氏のノウハウ抽出・蓄積及び承継する仕組みとして事業化することが可能か検証します。

プロジェクト取り組みの結果

IoT技術を用いて、酒造り工程における品質管理の安定化・省人化、属人化された技術の若い人材への継承の検証を行いました。
本プロジェクトの取組により、酒蔵にIoT機器を設置し1日に数回しか計測していなかったデータを24時間取得できるようになり、今まで見えなかったデータを可視化することができるようになるとともに、
他の蓄積データと可視化されたデータを組み合わせて整理することで、現場教育に使うことが可能であるという示唆を出すことができました。
そして、IoT機器導入における現場従業員の受容度に関して石川酒造内部と他酒造向けにアンケートを実施したところ、大きな不安感や抵抗感がないことが明らかとなりました。
また、IoT機器導入により作業時間の短縮と土日の従業員の稼働時間の半減が確認できました。
このように削減できる人件費は設備導入・運用にかかるコストを上回ることが確認でき、約3年間で投資分を回収できることがわかりました。
本取組では現場に大きな反発がないこと、収益性の向上が示されました。

会社情報

会社名 石川酒造株式会社
設立 1863年9月
本社所在地 東京都福生市熊川1番地
ウェブサイト https://www.tamajiman.co.jp/
事業内容 東京福生の地で清酒【多満自慢】とビール【多摩の恵】【TOKYO BLUES】を醸す酒造です。 敷地内には直営のレストランがあり出来立てのクラフトビールや地酒が味わう事ができます。 蔵見学も毎日開催しており、年間10万人が酒蔵に訪れる“酒飲みのテーマパーク”としても楽しめる蔵元です。
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