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介護と障がい福祉の両輪で、地域の人々の困りごとに寄り添い続ける

クリエーティブカミヤ株式会社

代表取締役社長 中原 英喜

インタビューに答えていただいた中原英喜氏

 本事業では、地域内外の中小企業・スタートアップや大企業、大学等が連携して、地域の課題解決を図るためのプロジェクトや、多様な主体が交流できる会員組織(コミュニティ)の立ち上げなど、イノベーション創出に向けた取組を進めています。このインタビュー連載では、多摩地域のイノベーションをリードする注目企業をご紹介することで、皆様に多摩地域の魅力を発信していきます。

 クリエーティブカミヤ株式会社は、「介護をする方が楽になると、介護をされる方はもっと楽になる」というモットーのもと、約30年にわたり地域に根ざした介護福祉サービスを展開してきました。近年ではその領域を障がい福祉にも広げ、さらなる社会課題の解決に取り組んでいます。今回は、中原英喜氏に、これまでの取り組みと今後の展望について詳しく伺いました。

介護から障がい福祉まで、生活支援のワンストップサービスを展開

現在、どのような事業を展開されていますか?

中原:当社は、もともと紙おむつの製造・販売からスタートした会社で、現在も病院や高齢者施設、全国の協力ディーラー向けに介護用品の販売を行っています。そこから事業を拡大し、介護保険関連では「ケアプラン(居宅介護支援)」に携わるケアマネージャーが10人在籍。さらに、訪問介護・訪問看護、福祉用具(車いすや介護ベッドなど)のレンタル、調剤薬局の運営までを包括する、総合的な介護サービスを提供しています。最近では新たに障がい福祉部門も立ち上げました。児童向けには「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を、大人向けには「就労継続支援A型・B型」を運営。これは、障がいのある方に働く場を提供したり、一般就労を目指すための訓練を行う支援事業です。このように当社は、高齢者介護と障がい福祉の両面から地域の暮らしを支える体制を整え、幅広いニーズに応えられる事業を展開しています。

現場で感じた思いを胸に独立の決意

御社の成り立ちについてご紹介ください。

中原:弊社を立ち上げた藤本隆平代表取締役会長はもともと介護用の大人用紙おむつメーカーで営業をしていました。介護の現場を訪れるうちに、「介護する人が楽になれば、介護される人ももっと楽になる」という信念を抱くようになります。現場で感じた「こういう商品があれば助かるのに」という思いを、当時のメーカーでは実現できなかったため、自ら理想の介護用品をつくろうと独立を決意しました。「少しでも介護の現場を楽にしたい」という一心で会社を立ち上げ、商品化への挑戦を始めたのです。その後、偶然のご縁からある大手メーカーと出会い、会長が持ち込んだ企画書が経営陣の目に留まりました。「一緒に商品を開発しよう」という話が持ち上がり、プライベートブランド(PB)としてオリジナル商品を製造・販売。これが会社としての第一歩であり、現在のものづくりの原点となりました。

日本初、夜間交換不要の紙おむつを開発

当時はどのような商品を販売していたのでしょうか?

中原:当社の代表的な製品の一つに「夜用紙おむつ」があります。かつては紙おむつの吸収量が十分でなかったため、夜間でも複数回の交換が必要でした。これは、介護をする側にとっては夜中に何度も起きて交換に行く負担となり、される側にとってもその都度目が覚めてしまい、QOL(クオリティーオブライフ)の質を下げる要因となっていました。そこで当社では、「夜1枚で朝まで交換不要」という新たなコンセプトの商品を企画。十分な吸収量と漏れ防止機能を備えた夜用紙おむつの開発に成功しました。今では一般的となったこの「夜用パッド」の先駆けとして、当社が日本で最初に市場に送り出したことが、多くの介護現場で支持される大きなきっかけとなりました。

大手メーカーからの転身と、社会貢献への思い

中原様はどのような経緯で入社されたのでしょうか?

中原:私はもともと総合製紙メーカーに勤めており、量販営業を経て、病院や施設向けに製品を供給する介護部門の首都圏責任者を務めていました。その時、現在の会社とはすでに関わりがあり、一緒に商品を開発した経験もありました。そうした長年の付き合いのなかで、当時の会長から「いずれこの会社を誰かに託したい」とのお話をいただいたのが、入社のきっかけです。長年勤めた会社では29年が経ち、社会人としての後半戦に差しかかっている中で、「社会に貢献できる仕事を、もっと身近に実感したい」という気持ちが強くなっていました。

「困っている人に寄り添う」――介護から広がった視野と使命感

中原様が入社されてから新しく参入した事業についてご紹介ください。

中原:私が入社してから立ち上げたのが、障がい福祉関係の新規事業です。もともと当社は高齢者向けの支援を中心に展開してきました。ただ、現場で困っている方々と向き合う中で、「寄り添うべき対象は高齢者に限らない」という実感が強まりました。実際、障がいを持つ方の中には、いずれ介護が必要になる方も少なくありません。そして、介護保険の対象となる65歳以降の時間よりも、それ以前の人生のほうが長い。生まれてから亡くなるまで、継続的な支援を必要とする方々が多くいるのです。

だからこそ、当社が「困っている人に寄り添う会社」であるとするなら、障がい福祉の領域にも踏み出すべきだと考えました。この3年でその土台を築いてきましたが、これは単なる新規事業ではなく、当社の理念を広げる自然な流れだったと思っています。社会貢献を具体的に形にする、その一歩が障がい福祉事業だったのです。

「点」ではなく「面」で支援する

多様な事業を展開するなかで、横の連携は重視されていますか?

中原:当社においては、看護師・介護職・薬剤師・ケアマネージャーなど、さまざまな専門職が在籍しています。それぞれの職能に敬意を持ちつつも、「分業」ではなく「連携」によって、一人ひとりの利用者と向き合うことが最も大切だと考えています。たとえば、福祉用具のレンタルを利用しているお客様が、将来的に看護や介護、服薬管理まで必要になる可能性は十分にあります。そうした場合、「これは看護の仕事」「これは介護の範囲」と線を引くのではなく、利用者の生活全体を多面的に支える視点が求められます。

当社では今、多職種連携を中心軸に据えたサービス体制の構築を進めています。バラバラの“点”の支援ではなく、包括的で有機的な“面”としての支援体制へ。利用者にとって本当に必要な支援とは何かを、職種を超えてともに考え、実行する組織でありたいと願っています。

ライフステージ全体を見据え、他社と連携しながら「寄り添い」を実現する

地域に根ざした活動を続けるなかで、地元企業との協力の機会はありますか?

中原:人は生まれてから亡くなるまで、人生の各ステージでさまざまな困りごとに直面します。そのすべてを当社だけで担うことは現実的ではありません。しかし、「困ったときはまずカミヤに相談すれば大丈夫」と思っていただける存在になりたい。そんな思いから、“総合相談窓口”としての機能を強化しています。

たとえば、在宅介護を続けていた方が有料老人ホームへの入居を検討する場面。最近では、独居高齢者の増加に伴い「身元保証人」がいないと入居できないケースも増えています。そこで当社は、信頼できる身元保証会社と連携し、必要な支援にスムーズにつなぐ体制を整えています。また、人が亡くなった後にも、葬儀や遺品整理といった課題が生じます。こうした最後の時間にも寄り添えるよう、現在は7〜8社の葬儀会社と提携し、必要に応じてご家族に紹介できる体制を構築しています。

当社自身が全サービスを抱えるのではなく、窓口として話を聞き、適切な企業と連携して課題を解決していく。そんな“ワンストップの地域連携モデル”を、まずは町田からスタートさせ、地元企業と手を取り合いながら進めていきます。「ここはうちではできません」と突き放すのではなく、“困ったときの伴走者”として機能する地域インフラへ。当社は、そんな存在を目指しています。

「つるかわ子どもこもんず」との協働で、不登校支援から子ども食堂まで

地域連携の具体例が他にもあればご紹介いただけますか?

中原:町田市・鶴川で長年にわたり不登校の子どもたちへの支援や無料塾の運営を行ってきた一般社団法人「つるかわ子どもこもんず」との取り組みがあります。この団体とは、昨年共同で新たに会社を設立し、不登校の小中高生を対象とした「放課後等デイサービス」をスタートしました。学校に通いづらさを抱える子どもたちの居場所を作り、学びや交流を支える場として機能しています。さらに、今年に入ってからは「こども食堂」のような取り組みにも一緒に着手。地域の子どもたちが安心して食事をとれる場所を提供し、孤立を防ぐ活動を行っています。このように、当社は地域の志ある団体と手を携えながら、支援のすき間を埋める新たな福祉のかたちを構築しています。

「隙間」を埋める保険外事業の強化へ

今後、注力したい領域はありますか?

中原:現在、私たちが展開している事業の多くは、介護保険や医療保険といった公的保険制度の枠組み内で提供されています。しかし、実際の現場では、制度ではカバーしきれない「隙間」やニーズが確実に存在しています。たとえば、老人ホームの紹介や身元保証といったサポートは、その一例です。これらはいわゆる“保険外”の領域になりますが、今後はこのような保険外事業にもしっかりと注力していきたいと考えています。保険事業を補完するかたちで保険外サービスを充実させていくことで、制度の狭間で取りこぼされがちな方々にも、より手厚く、より柔軟に寄り添える支援が可能になります。公的保険制度の枠組み内で提供されるサービスに限定せず、必要なときに必要な形で支えられること。その実現のために、今後は保険外事業を“もう一つの柱”として育てていくつもりです。

会社情報

会社名 クリエーティブカミヤ株式会社
設立 1996年11月
本社所在地 東京都町田市つくし野3-4-8
ウェブサイト https://c-kamiya.co.jp/
事業内容 介護用品製造・販売/高齢者用住宅改修/福祉用具販売・レンタル/訪問介護/居宅介護支援事業/訪問看護/訪問リハビリ/就労継続支援B型事業/調剤薬局/EC事業/まるごと安心サポート『カミサポ』