第4回ワークショップ リーンキャンバスを用いた新たな事業構想策定およびその検証計画策定のポイント(前編) | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
第4回ワークショップ リーンキャンバスを用いた新たな事業構想策定およびその検証計画策定のポイント(前編)

第4回ワークショップ リーンキャンバスを用いた新たな事業構想策定およびその検証計画策定のポイント(前編)

コミュニティレポート

 「ビジネスアイデアはあるけど、ビジネスモデルがうまく作れない」「PoCを実施したいが無駄な検証をしてしまいそう」というお悩みを解決するため、新規事業のビジネスモデルやその検証計画の考え方・作り方を習得するためのワークショップを全2回(前編・後編)にわたって実施しています。

 前編となる今回は、“リーンキャンバス”を活用したビジネスモデル策定や連携によるシナジー創出の考え方の内容について開催しました!

 この報告では、当日のイベントの様子や参加者からのご意見を紹介します。

【マインドセット編】

 

 新規事業創出にあたり最も重要なことは、新しいものに挑戦していくフロンティアスピリットです。「新しいことをする」「新しいことを楽しむ」という精神がないことには新規事業創出は先に進みません。

 しかし、フロンティアスピリットを持っていたとしても、新規事業を進めることは容易ではありません。社内には、フロンティアスピリットを阻害する多くの障害があります。例えば、「上司が色々格好いいことを言っているけど、実は今のままでいいって思っている」、「いい人材を付けてもらいたいけど、既存の部署が既存事業からはがしてくれない、手放さない」等、できない理由を探せばきりがありません。このように会社の規模に関わらず、多くの障害があります。

 そこで、障害を乗り越えるための3つの重要なマインドセットを紹介しました。

 『覚悟』『モチベーション』『メンバー』の3つのマインドセットを持っていても、多くの障害がフロンティアスピリットの熱量を削っていきます。そこで、熱量を持ち続けるためには、同じ熱量で刺激を与えあえる人との出会いや、高い課題意識をもつこと、強力な強みを持つことが有効となります。特に人との出会いに関しては、社内のみならず社外も含めて共通の関心を持つ事業者との交流を行いお互いの事業を知ることで、互いに熱量を与え合うことができ、新たな連携創出にも繋がり得る有効な手段となります。

【リーンキャンバス編】

 マインドセットを理解した上で、次のステップである「実行」へ進むために、新規ビジネスの計画をつくる必要があります。新規ビジネス創出のツールの一つとして今回用いたのは「リーンキャンバス」です。

 左側にマーケットに関わる事項、右側にプロダクト(サービス)に関わる事項を記載し一目で様々な角度から自身の考えるビジネスを漏れなく、重複なく把握するためのツールです。このツールは、下記のとおり「高速性、簡潔性、携帯性」の3点で有用です。

 また、「リーンキャンバス」を使用することで、顧客ニーズを明確化、課題の定量化、独自性の明確化が可能になり、よりビジネスモデルをブラッシュアップすることができます。  
 本セッションでは、特に重要な5つの要素(課題・ソリューション・独自の価値提案・圧倒的優位性・顧客セグメント)に関する考え方・作り方のポイントを解説しました。

【シナジー編】

 事業者間連携による新規事業創出においては、どのように事業者間でシナジーを生み出しながら協業を推進していくかが重要となります。
 シナジー効果とは、複数要素が組み合わさることにより、1つの効果以上に結果を上げることが出来るという理論です。事業提携等においては、複数のビジネススタイルを融合させることにより、新たなビジネススタイルを確立することや、両事業(両社)の強みを併せ持った事業として生まれ変わること等をシナジー効果と呼びます。

 一方、共同事業者間で顧客を奪い合うカニバリゼーションや、追加的なコストの発生等で負のシナジー(ディスシナジー/アナジー)が発生することもあり得るため、想定されるシナジーについて事前に把握・分析することが肝要です。ここではビジネスモデルを作成後、それを加速するために他社と協業した際のシナジーをどのように生むかを学習すると共に、協業がビジネスに与える悪影響についての考え方も併せて解説しました。
 さらに、シナジー効果を把握するシナジー分析に当たっては、事業構造の要素ごと(サプライチェーンにおける区分や会計区分等)に分解した上で、想定されるシナジー/ディスシナジーを抽出し、実現性・経済性を検討することが重要です。実現性・経済性を分析する上で、シナジー効果の実現に向けたアクションプランでは5W1Hを意識して作成を行う必要があります。
 例えば下記の物流拠点における事例では、どこにシナジー/ディスシナジーが発生するかを踏まえて検討する必要があることが解説されました。

【リーンキャンバスに関するワークショップ】

 リーンキャンバスの作成を体験頂くため、QBハウス事業モデルとJINSのブルーライトカット眼鏡事業をテーマとして、リーンキャンバス作成のグループワークを行いました。

 参加者からは、「QBハウスの事例においてはコスト・時間・店舗立地など多くのことが考慮された事例だと思う。ただ、未だQBハウスに迫る同業種が出ていないところを見ると圧倒的優位性を持つ企業なのではないかと改めて考えさせられた。自社のビジネス検討においても本日の学びを活用していきたい。」と感想がありました。

【交流会】

 自由参加の交流会では、さらに深い情報交換やディスカッション、名刺交換などが行われました。
リーンキャンバスの活用方法に関する議論など活発な交流が行われました。

【参加者の声】

 当日のご参加者にアンケートを実施した所、以下の様なお声を頂きました。

 「単純に考えるのではなく、方法論に基づいて網羅的にビジネス要素を検討することの重要性を体験することができてよかった。今後のビジネスモデル作成に役立て行きたい。」(中小企業)

「一人で仕事をする機会が多いが、世代や役職を越えた方々とフレームワークを通じて議論することの重要性を感じた。自社の新規ビジネス検討においても、リーンキャンバスフレームワークを活用し、多くの社員を巻き込みながら検討していきたい。」(スタートアップ企業)

多くの方に満足いただけるイベントとなりました。
今後もコミュニティ会員向けにイベントを開催していきますので、
ご関心のある方は是非ご入会ください!

コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/

コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

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