【令和5年度第1回ワークショップ】 リーンキャンバスを用いた新たな事業構想策定およびその検証計画策定のポイント(応用編) | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
【令和5年度第1回ワークショップ】 リーンキャンバスを用いた新たな事業構想策定およびその検証計画策定のポイント(応用編)

【令和5年度第1回ワークショップ】 リーンキャンバスを用いた新たな事業構想策定およびその検証計画策定のポイント(応用編)

コミュニティレポート

 「ビジネスアイデアはあるけど、ビジネスモデルがうまく作れない」「PoCを実施したいが無駄な検証をしてしまいそう」というお悩みを解決するため、令和5年1月と3月の2回(前編・後編)に分けて、新規事業のビジネスモデルやその検証計画の考え方・作り方を習得するためのワークショップを実施しました。応用編となる今回は、20社22名にご参加頂き、具体的な事例を基に事業構想やその検証計画としてのピッチ資料や提案資料に落とし込む際のポイントについて解説しました。

前回・前々回のレポートは下記になります。
前々回(前編)https://tama-innovation-ecosystem.jp/report/community/1485/
前回 (後編)https://tama-innovation-ecosystem.jp/report/community/1582/

【ピッチ資料や提案資料に落とし込む際の考え方について】

―事業計画、事業プランを考える際のポイント―

 まず初めに投資家が事業投資を行う際に重視している点について解説が行われました。
 投資家の着眼点として肝になるポイントは、「夢のある将来」+「リアリティのある第一歩を踏み出せるかどうか」という点に帰結します。この二つのバランスが非常に大切です。
①「夢のある将来」
 ・ビジネスの意義
 ・社会的課題の解決
②「リアリティのある第一歩」
 ・きちんと考えこまれたアイデア
 ・具体的なアクションプラン
 ここで必要になってくるのが、他社の納得感、共感が得られるかという点です。特に、上記のポイントとして、「①課題→②アイデア→③結果」という思考の流れを意識することが重要となります。

 まず、課題はできるだけ具体的な内容でないと、リアリティや切迫感が出ません。自分や他人が困っていること、社会的課題、環境の変化による将来懸念などを盛り込むと良いでしょう。次に、アイデアですが、エビデンスに基づいたものあることが必要です。ビジネスアイデア等、思いついたソリューションに対して、独自の発想や技術等をどう活かせるかを述べます。そして最後に、収益面も含めてどのような素晴らしい結果となるかアピールすることで、説得力のある提案が作り出せるようになります。

―バックキャスティングの重要性―

 夢のある将来(目標)を打ち出した後に必要になるのは、目標を叶える道筋です。これを一般的に戦略と呼んでいます。戦略(=事業計画)を考える時、まずは自分たちの現在地を正確に把握する必要があります。目標と現在地を明確にし、目標から現在地を逆算することで、次の一年間に何をしなければならないかが見えてきます。これをより具体的に明記していくことで事業計画が夢とリンクすると共に現実性が帯びていくことになります。

―事業検証の重要性―

 事業計画の中で記載すべき項目の中に「事業検証」が挙げられます。これは、目標と現在地から逆算した戦略が実際と乖離がないかを確認する手段になります。戦略の中では「数ある戦略の中でなぜこの戦略を選んだのか」「目標到達に向けて何をどのような順番で行うか」を記載しますが、その戦略が本当に最適か、あるいは環境や状況の変化で戦略の変更が必要になる場合もあります。その意味で事業検証により現在の戦略が目標に向かう道筋として最適かどうかを確かめることができます。また、大小リスクの伴う事業への投資において、できる限りリスクを減らす意味でも事業検証の具体性は投資に直結するものになります。

【リーンキャンバスについて】

―リーンキャンバスの概要(おさらい)―

 前回、前々回の復習を兼ねてリーンキャンバスの解説をしました。
リーンキャンバスの主な特徴は高速性、簡潔性、携帯性と言われています。そのため、リーンキャンバスは完璧な事業計画をつくるものではなく、簡単かつ素早く事業計画をつくるためのフレームワークになります。

 左側にマーケットに関わる事項、右側にプロダクト(サービス)に関わる事項を記載し一目で様々な角度から自身の考えるビジネスを漏れなく、重複なく把握するためのツールです。

―リーンキャンバスからの提案書への落とし込む考え方―

 今回は作ったリーンキャンバスを最終的に提案書/プレゼンテーションにどのように落とし込むかについて解説しました。提案書やプレゼンテーションにおいては、さまざまな形式やフォーマットがありますが、大事な点は、作成したリーンキャンバスをベースに、提案書の読み手やプレゼンテーションの聞き手が、下図に記載したストーリーが容易に理解できるような内容を意識して作成することです。

【グループワーク】

―グループワークの概要―

 具体的には、実際に昨年度リーディングプロジェクトに採択された企業様の一部の提案書を読み込んで頂き、リーンキャンバスの主要要素を埋めた上で、以下について各グループの意見をまとめて発表頂きました。

  1. 「この企業が目指している将来の目標(わからない場合は解決したい課題)は何か」
  2. 「その目標に対し、2022年度のプロジェクトの中で何をしようとしているか」等

本ワークを通して、支援プログラム等において、「優れたビジネスアイデアや支援プログラムなどに採択され得る提案書はどういうものか」、「アイデアをより良い提案にするにはどういった視点があると良いか」に関する気づきを得て頂きました。

【交流会】

自由参加の交流会では、名刺交換やグループワークの感想、ピッチ資料や提案資料の作成に向けたディスカッションなど活発な交流が行われました。

【参加者の声】

ご参加いただいた方の声を一部ご紹介致します。今回は会場の中で上がった質疑応答を中心にご紹介します。

資料から相手に読み取らせるのではなく、質問されうる内容を事前に仮説を踏まえた検証を行うことが大切だと感じた。(中小企業)

自分の事業やプロダクトの優位性を押すことが提案資料だと感じていただが、相手の視点に立って、いかに「この仮説はもっともらしく、検証結果を見たい」と感じさせることができるかが大切だと感じた。(スタートアップ)

募集要項を精読することの重要性を感じた。相手側がどのような企業を募集しているかを理解することが提案への第一歩だと感じた。(中小企業)

多くの方に満足いただけるイベントとなりました。
今後もコミュニティ会員向けにイベントを開催していきますので、
ご関心のある方は是非ご入会ください!

コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/

コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

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