令和5年度第5回ワークショップ『ビジネスの視点で多摩地域の魅力創出!』その2 | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
令和5年度第5回ワークショップ『ビジネスの視点で多摩地域の魅力創出!』その2

令和5年度第5回ワークショップ『ビジネスの視点で多摩地域の魅力創出!』その2

コミュニティレポート

 「多摩地域の魅力は何だろうか」「多摩地域の魅力を強化・発信し、ビジネスにするにはどうすればよいのだろうか」
 こうしたお悩みを解決するため、令和5年10月と11月の2回に分けて、多摩地域の魅力創出を題材としたビジネスアイデアを考えるワークショップを開催しました。
 この報告では、当日のイベントの様子や参加者からのご意見を紹介します。
 前回のレポートはこちら

【ワークショップの進め方】

 前回のワークショップでは、「観光・レジャー」「安心・安全」「コミュニティ活性化」の3テーマ横断型でグループワークを実施しました。今回のワークショップでは、ビジネスアイデアの検討に軸足を置くために、3テーマのうち「観光・レジャー」「安心・安全」の2テーマに分かれてグループワークを実施しました。
 まず、テーマ毎に業界全体として抱える課題や取組事例について、特に前回議論されたトピックスに関連する内容を中心にファシリテーターから説明をした後、ディスカッションの対象とする課題感の目線合わせを行いました。
 その後、その課題感に対する提供価値(その課題を抱える顧客が求めているもの、それに対してどのような価値を提供すべきか)、およびその価値を提供するために各社が協業することでどのようなソリューションが提供できるかを検討しました。

【各テーマのワークショップの様子】

―観光・レジャー

<テーマ概観の振り返り>

 観光業においては、地域の観光協会や公共交通機関・ホテル・地元の商店街など、様々なステイクホルダーの存在を踏まえ、「タビマエ」「タビナカ」「タビアト」といった観光バリューチェーンごとに課題を整理することができます。その中でも前回のワークショップで特に取り上げられた多摩地域の魅力創出に向けた課題感としては、多摩地域の観光の魅力をより多くの方に認知いただけるような観光圏としての知名度向上や、より多摩地域の魅力に触れて頂けるような回遊性の向上といった点が挙げられました。また、こうした魅力を継続的に提供していくための域内経済活性化に向けた観光客の分散や、客単価向上に向けた高付加価値提供といった量から質へのシフトに関するポイントが挙げられました。
 こういった課題への対策として、例えば地域固有の体験や、ものづくりを好むインバウンド観光客が増加傾向にある背景を踏まえ、地域のものづくり技術や文化を体験できるようなVR/アバター技術を活用したサービスなどが各地で推進されています。また、一度の旅行でより多くのスポットを訪問できるようなAI顔認証技術を活用した観光サービスを提供している地域があります。多摩地域においても、鉄道施設や古民家等の地域の魅力を活用した高付加価値サービスの取組が推進されています。

<ディスカッションの様子>

 観光・レジャーの視点での多摩の魅力創出に向けた課題について、前回ワークショップでの議論や関連する自治体へのヒアリングを踏まえ「知名度向上」「回遊性向上」「量から質へのシフト」といった3つのグループに分かれてディスカッションを行いました。
 「知名度向上」のグループでは、多摩地域の木材(多摩産材)や多摩地域に根差している文化等の魅力的なコンテンツの創出や、そのコンテンツの効果的な情報発信、多摩地域住民の観光に対する意識の醸成といった視点で課題を深堀し、これらに対する提供価値・解決策について検討しました。具体的には、多摩地域にも根差している盆栽文化を取っ掛かりとし、かつ地域住民も巻き込んだグリーンツーリズムによる地域ブランディング等といったアイデアが挙げられました。
 「回遊性向上」のグループでは、魅力的で観光客を引き寄せるキラーコンテンツの必要性や、地域の特色を踏まえた目指すべき姿の定義の必要性といった視点で課題を深堀し、これらに対する提供価値・解決策について検討しました。具体的には、多摩地域の特性分析に基づき観光コンセプトを決定するサービスや、キラーコンテンツの発見、もしくは創出により流行を生み出すサービス等を推進することで回遊性向上につなげるアイデアが挙げられました。
 「量から質へのシフト」のグループでは、付加価値向上による客単価向上の必要性やオーバーツーリズムの解消(地理的分散や時間的分散)の視点から課題を深堀し、これらに対する提供価値・解決策について検討しました。具体的には、利用者の多様な属性(日帰り、地方からの旅行、地域住民のレジャー、インバウンドなど)や多摩地域が有する豊富な自然の特色を踏まえて、場所及び時間の集中から分散にシフトしつつ、高付加価値化に繋がりうる自然とデジタルを融合したコンテンツ創出等といったアイデアが挙げられました。

―安心・安全―

<テーマ概観の振り返り>

 前回に引き続き、安心・安全における主要テーマである「①地震や台風などの自然に由来する脅威」「②テロなどの犯罪行為や過失に基づく事故」のうち、①に関連するアイデアにフォーカスして議論を行いました。安心・安全の視点での魅力創出(安心・安全な地域づくりなど)にあたり、前回特に議論された課題感としては、多摩地域における自然災害上の特徴を踏まえた設備やシステム・災害時の情報共有等といった「公助」の視点のポイントや、災害発生時のリスク予測やそのための備えの拡充等といった「自助」の視点のポイントが挙げられました。
 こういった課題に対する対策として、例えば、災害発生時の情報が迅速かつ正確に伝わるようスマートフォン・インターネット等のデジタル機器に不慣れな高齢者などの情報弱者向けに、デジタル技術と電話回線を活用した情報伝達サービスが行われている地域があります。また、災害発生時に企業・工場等従業員の安否確認が迅速に行えるように生体認証を活用した安否確認システム、さらには災害に対する備えとしてマンション居住者向けVR消防訓練といった取組が各地で推進されています。

<ディスカッションの様子>

 前回特に議論された課題感の視点から検討が行えるよう、「公助の視点」「自助の視点」の2つのグループに分かれてディスカッションしました。
 「公助の視点」のグループでは、いつ災害が発生するかわからないことによる投資回収の不透明さに起因した投資の難しさや、避難所における生活環境の整備の必要性といった視点で課題を深掘りし、これらに対する提供価値・解決策について議論しました。具体的には、賃貸マンションの空き家等を活用し、平時の民泊利用と災害時の避難所利用を不動産会社とも協業し実現することによって、投資回収も容易でかつ安心した避難生活に繋がりうる避難支援サービス等といったアイデアが挙げられました。
 「自助の視点」のグループでは、災害発生時の最適な避難経路の把握に向けた備えの必要性や、災害発生時のインフラ稼働状況やエネルギー上のリスク把握の必要性の視点から課題を深掘りし、これらに対する提供価値・解決策について議論しました。具体的には、災害時の通信制限の影響を受けづらいSMSを活用して、災害状況や、最適な避難経路等の情報共有を行うことのできるプラットフォームサービス等といったアイデアが挙げられました。

【参加者の声】

 ご参加いただいた方の声を一部ご紹介致します。

  • 同じテーマに関心のある方との共創によるアイデアを検討することができ、非常に有意義でした(スタートアップ)
  • 自社の商材やアセットを活用したアイデア検討を通して、他の企業との繋がりを構築することができ今後の事業検討に役立てることができました(中小企業)
  • 多摩ならではの課題と結び付け、既存の自社事業と別の切り口で新規ビジネスを検討するきっかけとなり、新しい視点を得ることができた(中小企業)

多くの方に満足いただけるイベントとなりました。
今後もコミュニティ会員向けにイベントを開催していきますので、
ご関心のある方は是非ご入会ください!

コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/

コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

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