令和5年度第9回ワークショップ『デザインシンキングによるビジネスアイデア創出講座(応用編)』 | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
令和5年度第9回ワークショップ『デザインシンキングによるビジネスアイデア創出講座(応用編)』

令和5年度第9回ワークショップ『デザインシンキングによるビジネスアイデア創出講座(応用編)』

コミュニティレポート

 デザインシンキングの基礎を学び、実践的に活用しながらビジネスアイデアを検討するワークショップを令和6年2月と3月の2回に分けて開催しました。

 2回目となる今回は、関心テーマ(観光・レジャー、子ども・教育、物流・モビリティ、健康・医療、環境・エネルギー)ごとにグループに分かれ、前回ワークショップでの議論内容をもとに、より具体的なテーマを設定し、デザインシンキングのエッセンスとリーンキャンバスの視点を活用して、具体的なアイデアの検討を行いました。

 この報告では、当日のイベントの様子や参加者からのご意見を紹介します。

 前回のレポートはこちら

イントロダクション

 イントロダクションでは、事務局からデザインシンキングの概要と各グループのテーマについて説明しました。

 デザインシンキングの概要では、前回の講座を要約する形で参加者へデザインシンキングの意識や心構え、課題発見のアプローチや問題を構造的に捉える手法、課題解決のためのアイデア出しの手法についてご紹介しました。

 各グループのテーマについては、前回のワークショップの議論やアイデアの振り返りを行い、事務局で設定したより具体的なテーマとそのテーマに関連する参考情報についてインプットを行いました。

※デザインシンキングとは、ユーザ視点に立ち、これまで見えていなかった本質的な課題を発見する手法です。共感(その人の立場・ユーザになって実際に経験してみる・考える)に基づき、ユーザの困りごとなどを解決するために、ユーザにどういった体験を提供するかを試行する実践的な知見として知られています。

グループワーク

―グループワークの流れ―

 以下の流れでグループワークを実施しました。

課題出し
テーマの対象ユーザに共感して、そのユーザが体験の中で感じている課題(ペイン)を参加者それぞれが考えて書き出します。

②課題のグルーピング
ユーザの抱える課題を構造的に捉えるために、1で出した課題を共通する原因でグルーピングし、グループごとに原因となる要素を書き出すことで、課題が起こる原因の深掘りを行います。

問いの設定・優先順位付け
原因となる課題に対して「アーリーアダプター(すぐにでも解決したいと考える人)」と「既存の製品・サービス」を意識し、優先順位をつけていきます。優先順位の高い2つに対して、「どうすれば~~できるだろうか」の形で問いを立て、解決するべき課題を顕在化させます。

解決策の検討
参加者それぞれが顕在化した課題を解決するためのアイデアを具体的に出していきます。このとき、自社のソリューションに限らず、考えられるアイデアを複数立案します。

解決策の深掘り
④で生まれたアイデアをグループ内で共有し、出たアイデアに対して、さらに要素を追加していく心構えで参加者同士が共想することでアイデアを深めていきます。

アイデアの具現化
⑤で深めたアイデアをリーンキャンバスの視点を活用しながら、「問いに対する解決策(ソリューション)」「独自の価値提案」「顧客セグメント」の観点で具体化します。

各テーマのディスカッションの様子

■観光・レジャー

 「インバウンド観光客」をターゲットユーザとし、「多摩地域の観光・レジャー情報の提供に向けた外国人向けの効果的な広告サービス・製品とは…?」をテーマとして、課題出しと課題に共通する原因でグルーピングを行ったところ、「目的地までのアクセスがわからない」といったアクセス情報の不足や、「手荷物を持った状態での移動が困難」といった2次交通の未発達が原因となり多くの課題が引き起こされていると考えました。そこで「どのようにすれば、効率的に観光ができるのか」という問いを立て、解決策をディスカッションしました。

 その結果、「多摩地域の観光地を周遊するタクシー」「ドローンを活用した手荷物配送」等というソリューションアイデアが生まれました。

■子ども・教育

 「教育を受けさせる保護者」をターゲットユーザとし、「保護者が子どもの適性を伸ばす習い事を受けさせる際に抱える課題の解決策とは…?」をテーマとして、課題出しと課題に共通する原因でグルーピングを行ったところ、「子どもの適性を親の主観で判断してしまう」といった客観的・専門的な子どもの適性判断の困難さや、「習い事に通わせる時間が負担である・アクセスが悪い」といった習い事の送迎負担が原因となって多くの課題が引き起こされていると考えました。そこで「どのようにすれば子どもの適性を客観的・専門的に判断できるか」という問いと「どのようにすれば保護者は習い事の送迎を負担と思わなくなるか」という2つの問いを立てて解決策をディスカッションしました。

 その結果、「幼稚園・保育園での適性判断ロボットの設置」や「移動を習い事の時間にする、周遊型習い事バス」というソリューションアイデアが生まれました。

■物流・モビリティ

 「ラストワンマイル」をターゲットユーザとし、「運び手にとって、多摩地域の特徴を踏まえた安全かつ効率的な配送方法とは…?」をテーマとして、課題出しと課題に共通する原因でグルーピングを行ったところ、「小荷物の配送増加に伴い需要が増加している」や「集合住宅の配達ステップが多く配達に手間がかかる」「受け渡し方法が不足している」といった需要過多と配送効率の低さが原因となって多くの課題が引き起こされていると考えました。そこで「どのようにすれば団地と高層マンションの配送効率を上げられるか」という問いを立て、解決策をディスカッションしました。

 その結果、「住民と配達業者のみが出入りできる、高セキュリティの置き配共有スペースの設置」というソリューションアイデアが生まれました。

■健康・医療

 「多摩地域に居住し都心部に通勤する労働者」をターゲットユーザとし、「心の状態を把握し、受診につなげるサービス・製品とは…?」をテーマとして、課題出しと課題に共通する原因でグルーピングを行ったところ、「自分自身では診断必要性を判断できない」「カウンセリング料金が高い・料金体系が不明である」といった受診ハードルの高さが原因となって多くの課題が引き起こされていると考えました。そこで、「どうすれば早く病気に気が付くことができるか」という問いを立てて解決策をディスカッションしました。

 その結果、「多摩地域の既存アミューズメント施設内における心療内科・カウンセリング施設の融合」や「自分の状態や情報を楽しく把握できるゲーム」というソリューションアイデアが生まれました。

■環境・エネルギー

 「多摩産材などの森林資源を利用したい企業・消費者」をターゲットユーザとし、「多摩産材などの森林資源を利用した新たな製品・サービスとは…?」をテーマとして、課題出しと課題に共通する原因でグルーピングを行ったところ、「木の伐採情報がない」「求める木材の知識・購入方法がわからない」といった一般消費者にとって、検討に必要な情報不足が原因となって多くの課題が引き起こされていると考えました。そこで「どのように木材の情報を開示すれば、木材を利用したい人に情報が伝わるだろうか」という問いを立て、解決策をディスカッションしました。

 その結果、「ウェブサイト立ち上げによるアクセス窓口の一本化と情報掲載」「カスタマイズ可能なDIYキットの提供」というソリューションアイデアが生まれました。

交流会

 自由参加の交流会では、さらに深い情報交換やディスカッション、名刺交換、事業内容の紹介などが行われました。

参加者の声

 ご参加いただいた方の声を一部ご紹介致します。

・デザインシンキングによる「発散」「収束」の思考や論点整理が非常に勉強になりました。自社事業にも役に立ちそうだと感じました。(中小企業)

・デザイン思考を用いることで、ユーザ目線やユーザのニーズを理解できると学びました。自社事業にあてはめ、さらなるビジネスアイデアの組成やブラッシュアップに生かしたいと思います。(中小企業)

・具体的なソリューションを考えることの難しさを痛感しました。また、既存事業の拡大を考えていたが、今回のワークショップを通じて、どのような行動をとればよいか理解できました。(中小企業)

・異業種の方とワークを行うことで、個人では思いつかない発想や意見を聞くことができ、非常に有意義でした。懇親会では、様々な経験談を聞くことができました。(中小企業)

多くの方に満足いただけるイベントとなりました。
今後もコミュニティ会員向けにイベントを開催していきますので、
ご関心のある方は是非ご入会ください!

コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/

コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

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