マーケットイン思考の実践、アイデアの早期アウトプットと改善を目指すことを目的として第3回事業構想ワークショップを開催しました。
複数の代表的なアイデアアウトプットのフレームワークを通して自社(自身)のアイデアを早期に言語化し、ミッシングピースを早期に認識するための方法論を実践しました。
この報告では、当日のイベントの様子や参加者様からのご意見を紹介します。
前回(第2回ワークショップ)の振り返り
はじめに、前回のワークショップの振り返りを行いました。
(第2回事業構想ワークショップの開催報告はこちら)
全3回にわたり開催する事業構想ワークショップでは、マーケットをより意識したアイデアの具現化に向けて、原体験の整理から共創方針・仮説の検討を進めていきます。
第1回事業構想ワークショップでは、前半にオープンイノベーションの基本概念やメリット、イノベーション創出の成功事例、今後イノベーション創出に取り組むにあたってのポイントをご紹介しました。後半では、第2回以降のワークショップで共創方針を定め、共創案を作り上げていく前段として、事業創出意欲を高めることを目的に、自身の原体験の振り返りを行いました。
第2回事業構想ワークショップでは、市場調査の意義や進め方、有益な情報源の紹介を通じて市場性検証の重要性について説明しました。また、自社の強みの棚卸しの意義と方法、新規事業の検討で調査・検証する論点やスタートアップ・中小企業における差別化戦略の重要性ついて詳しく説明し、演習を通じてビジネスアイデアについて整理しました。
第3回事業構想ワークショップ
第1部 ビジネスアイデア/ミッシングピースの策定
魅力的な事業創出において重要な観点は、「市場性」「優位性」「実現性」の3点です。今回のワークショップでは、実現性つまり「資源を揃え構想を実現することができるか」について検討することに重きを置き、顧客のニーズを満たした上で競合他社では提供できない独自の価値を示したバリュープロポジションについて説明しました。バリュープロポジションを明確にすることで、事業計画の立案だけでなく製品開発、マーケティング戦略の立案や改善に役立てることができます。
またアウトプットのための思考整理にあたり、「顧客課題」や「解決策」、「ターゲット市場」、「競争優位性」、「ビジネスモデル」等の目的別に用意されたフレームワークを、具体的な事例を用いてご紹介しました。
今回のワークショップでは、「仮想エレベーターピッチ」の作成と共有を行いました。エレベーターピッチとは、自分の事業について投資家を相手に短時間で、端的に伝えることを想定したプレゼンテーション手法です。まずは、各自で自らのアイデアをエレベーターピッチのフレーム枠に落とし込み、その後グループ内での共有を通じて自らのアイデアに不足している視点などについて意見交換を行いました。
第2部 ビジネスプランのブラッシュアップ
第2部では、始めに先進的なビジネスモデルについて紹介し、その後ピッチ・プレゼンテーションのコツについて説明しました。最後に第1部で整理したエレベーターピッチの内容をブラッシュアップしたものを、発表して頂きました。
まず、優れた製品・サービスを開発すれば、おのずと成功するというわけでなく、「優れたアイデアをもとに、優れたビジネスモデルを開発する」ことが重要です。ビジネスモデルとは、「誰に何をどのように届けるか」を整理したものです。例えばAmazonの場合、売れ筋のメイン商品よりもあまり売れないニッチ商品を数多く扱う「ロングテール」モデル、QBハウスではカットのみのサービスに絞る「ノンフリル」モデルと呼ばれる独自のビジネスモデルを構築しています。どのビジネスモデルにおいても、「インプット→プロセス→アウトプット」というビジネスの基本的な3ステップの構造は変わらず、紹介した先進モデルにも共通しています。構造を理解し、自社のビジネスモデルについても「インプット→プロセス→アウトプット」の視点で整理することが重要となります。
次に、ピッチ/プレゼンテーションのコツと題し、自社アイデアをより効果的に相手に伝えるためのプレゼンテーションの方法論について説明しました。ピッチは、主に資金調達、人財採用、顧客獲得、およびパートナー・協業先との関係を構築し、また聴衆に望む行動を喚起させることを目的に実施します。効果的なピッチを行うためには、見せ方・伝え方・話し方の3つの観点から工夫する必要があります。まず見せ方のポイントとしては、聴衆の理解・納得感を高めるために効果的に数字で見せることが挙げられます。次に伝え方として、聴衆に魅力が伝わるようにメッセージを端的に、かつ熱意をもって発表することが重要です。最後に話し方として、聴衆の視線を誘導するように上下左右を示す言葉を挟むこと、接続詞を意識的に使用して前後の関係性を整理すること等、流れを意識すること重要となります。
講義内容を踏まえ、第1部で作成したエレベーターピッチの原稿をブラッシュアップし、各グループより発表いただきました。
交流会
ワークショップ後の交流会では、参加者各々の事業説明やご関心分野についてのディスカッションが行われました。前回に引き続き参加された方も、今回初めて来られた方も、ワークショップのアウトプット内容を共有し盛り上がりを見せていました。
参加者の声
- 今まではアイデアでしかなかったが具体的に考え行動しようという心構えにつながりました。(中小企業)
- 自分のアイデアの言語化、伝え方を知ることができました。(中小企業)
- ビジネスアイデアの整理の仕方や、共創パートナーとしてどのような相手を考えれば良いか等のアイデアをいただくことができました。(中小企業)
全3回にわたる事業構想ワークショップは今回で最終回となり、11月以降はマーケットの観点から事業案の着想・ブラッシュアップや、事業推進に関連する支援者・協力者との交流・連携の促進を目的としたマッチングイベントを開催予定です。
ワークショップ以外にも多摩イノベーションエコシステムでは様々なイベントを開催しています。ご関心のある方、事業者様は是非ご入会ください!
今後のイベントスケジュール
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/workshop-2024/3106/
コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/