【令和6年度第3回事業発信ワークショップ】顧客視点で考える!事業拡大ワークショップ~卸・バイヤーとの共創による顧客課題解決~

顧客視点を持つ卸・バイヤーから、市場動向や顧客課題を捉えた課題解決提案の手法や他社との協業の方法について学び、事業拡大を目指す企業向けのワークショップ「顧客視点で考える!事業拡大ワークショップ~卸・バイヤーとの共創による顧客課題解決~」を令和7年1月17日に、「たま未来・産業フェア」実施中の東京たま未来メッセにて開催しました。

今回は、昨年度の「たま未来・産業フェア」で出会った中小企業や大手企業との連携によって、顧客課題の解決や販路拡大に繋がった経験を持つ株式会社NaITOや、優れた技術やサービスを持つ中小企業同士が連携し、顧客のワンストップニーズに応えるという新たなビジネスモデルを創出したI-OTA合同会社に協業の全体像や協業に至るまでの過程をご紹介いただいたほか、株式会社トラウムや株式会社コシダテックより、求める協業先や技術についてのピッチを行いました。
また、プログラム終了後は交流会を実施し、登壇者との協業に向けて密にコミュニケーションをとることのできる機会を提供しました。
【第1部】基調講演 他社との共創による課題解決提案
株式会社NaITO 営業推進部部長 兼 海外事業室室長 小峰 英樹様
小峰様より、株式会社NaITOの事業紹介、昨年の「たま未来・産業フェア」で出会った企業との出会いから協業に至る過程や協業を成功させるためのポイントについてご紹介いただきました。

「たま未来・産業フェア」で出会った画像解析技術を持つ企業と大手メーカーとの3社による協業を経て、これまでできていなかった顧客課題へのアプローチが可能となり販路拡大につながったこと、さらに海外での協業に向けた展望についてお話しをいただきました。また協業メリットとして、顧客の課題を複数の観点から捉えることで解決できる課題の幅が広がる点を挙げていただきました。協業のポイントとしては、成果を上げたい分野や今後の展開において目指す方向性が同じである企業とチームを作ることや、企業の規模に関わらず対等な立場での役割分担を行うこと、また求めている商材や技術を具体的に示し、将来像を思い描きながら協業チームを作ることなどのメッセージをいただきました。
I-OTA合同会社 代表 國廣愛彦様
続いて、I-OTA合同会社代表の國廣様より、顧客の多様なニーズに応えるために東京都大田区の町工場が連携した新たなビジネスモデルについてご講演いただきました。

I-OTA社は高い技術力を持つ多様な中小企業の連携を目的として生まれた企業であり、それぞれの企業が持つリソースやノウハウを活用しながら、顧客の持つイメージに寄り添いながらソリューションを考える「提案型ものづくり」を行っています。企業の連携により企画検討から製造までをワンストップで進めるビジネスモデルが可能になったことで、販路拡大や売上向上に繋がり、より持続的な企業へと成長する良い循環が生まれるようになるとお話しいただきました。従来はお客様が図面から加工方法を判断し、適した工場にそれぞれ発注していましたが、連携によってこれらの負担が解消され、お客様がイメージしたものをワンストップで具現化できる提案型ビジネスへの転換を図れたと、具体的な事例を用いながらお話しいただきました。
それぞれの質疑応答では、当日参加いただいた学生からも共創や連携のプロセスについて質問があがり、事例をさらに深掘りしてお話しを聞くことができました。
【第2部】卸・バイヤーピッチ
第2部では株式会社トラウム、株式会社コシダテック、株式会社NaITOの3社に登壇いただき、自社の事業紹介、協業事例の紹介と求めている協業や技術について簡潔にピッチを行いました。
株式会社トラウム
株式会社トラウムは、ものづくり事業とITソリューション事業を柱とし、電子機器部品の設計・製造、ネットワークインフラ構築、ハードウェア・ソフトウェア販売、人材派遣など、多角的に事業を展開する企業です。

中村様からは、ものづくり事業の中でも、ロボット事業と商社事業において協業できる企業を模索しているとお話がありました。ロボット事業では自社でのロボット開発を目指すために必要なリソースの検討や補填、商社事業では欧米への機械部品輸出に向け、他のアジア各国にはない卓越した技術力を持つ製造企業との連携を求めているとお話しいただきました。
株式会社コシダテック
株式会社コシダテックは、自動車関連、半導体・電子デバイス、IoT・AIソリューション、モバイルセールス、自動車用品販売、自動二輪関連等の多様な事業を展開している企業です。時代や顧客のニーズの変化を敏感に捉えながら、様々な領域に事業を拡大しています。

塔思(タス)様からは、工場や設備の遠隔管理を行うために必要となる、カメラやセンサー通信ネットワーク関連事業者との協業や情報交換、メーター監視ソリューションや工場設備の防災観点からICTセンシング技術を活用した災害発生検知関連のメーカー様との協業、さらにヘルスケア分野でのセンシング技術の活用についても積極的な情報交換を求めていることをお話しいただきました。
株式会社NaITO
株式会社NaITOは、切削工具を中心に計測機器、産業機器、工作機械の販売を行う機械工具の専門商社です。切削工具の取扱量は国内トップを誇り、国内外800社以上のメーカーの商品を数十万点取り扱っています。

3社のピッチの後に、参加者の方には、これまでのご登壇者の話を聞いて事業拡大をするにあたっての【共創・協業】に向けた気づきについて考えていただき、近くの方と共有を行っていただきました。共有の時間が終わってもお話しが尽きない様子が見られ、感想発表の中でも、こういった場での出会いがないと共創が生まれないなどのご意見をいただきました。
【第3部】交流会
プログラム開催後には協業に向けた関係構築や情報交換を目的に、登壇者ごとのブースに分かれて交流会を開催しました。

交流会では登壇者への具体的な相談や面談アポイントを取る様子も見られ、共創意欲を持った参加者の方の積極性が伺えました。
【参加者の声】
参加者の方の声を一部ご紹介いたします。
「登壇企業の具体的な取り組み事例から、自社の事業に反映させられる情報を得ることができた」
「異なる領域の企業の取組や意見を直接聞くことができ、とても参考になった」
「新たな協業を生み出すために、やるべきことのヒントが得られた」
「他の会社を競合と捉えるのではなく、協力するという考え方を知った」
具体的な取り組み事例や交流会を通じて共創による販路拡大に向けた新たな情報や考え方を持ち帰っていただける回となりました。
多摩イノベーションコミュニティでは、多摩地域内外の多様な主体による交流や連携などに向けて、会員向けワークショップや公開イベントを予定しています。
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