【令和7年度プロジェクト創出ワークショップ】第3回リバースピッチ 開催報告
地域課題解決に繋がる事業開発を促進させることを目的に、企業や自治体等が解決したい課題を発信し、その解決策を募る第3回リバースピッチをTOKYO UPGRADE SQUAREにて開催いたしました。
第3回は、グローバルに事業を展開している企業4社が共創案実現に向けたピッチを行いました。この報告では、当日のイベントの様子や参加者の皆様からのご意見を紹介します。
本事業のご説明
事務局より本事業の全体像及び今年度の取組についてご説明しました。
事業の一つの柱である多摩イノベーションコミュニティで今年度取り組んでいるイベントとして、3種類のワークショップについてご紹介しました。そのうちのひとつで、今回開催する「プロジェクト創出ワークショップ(リバースピッチ)」では、地域課題解決に取り組む大企業や自治体等が抱えている課題やニーズについてご紹介いただき、マーケットイン型のプロジェクト創出に繋げることを目的としています。

次に、ワークショップ等を通じて整理したビジネスアイデアの具現化に寄与する「ビジネスアイデア具現化支援」についてご説明しました。本取組では、多摩地域の課題解決に向けたビジネスアイデアを募集し、審査・選定後にビジネスアイデアの具現化に向けた個別支援、費用支援を実施します。

※令和7年度の募集は終了しております。
リバースピッチ
登壇4者より、各者の紹介と共創ニーズ、共創パートナーについてのご説明をいただいたのち、参加者からの質疑応答を行いました。
富士電機株式会社 技術開発本部 新製品開発プロジェクト室 技術マーケティング部
「パワーエレクトロニクスを社会のちからに、優しさに」
富士電機株式会社は、環境ビジョン2050を策定し、環境事業における持続可能な社会の実現を経営方針の柱に掲げています。技術開発本部の新製品開発プロジェクト室では、同社のエネルギーと環境の事業に資する成長戦略のための「変革ビジョン」と「変革シナリオ」を企画・検討することをミッションに、国内外のパートナーとの協業やシナジーを追求しながら、新たな顧客価値創出を目指しています。
今回は、パワーエレクトロニクスの技術を生かした、データセンターに関わる共創ニーズについて、ご発信いただきました。なかでも、新興技術である「光電融合」は、昨今の生成AIブームによって増加しているAIサーバーの消費電力の低減に寄与する可能性があるといわれています。そこで、同社は既存事業アセット(顧客群、製品群)を活用した新規事業アイデアを検討されており、現状想定されている共創イメージと共創先をご説明いただきました。

株式会社東芝 Nextビジネス開発部 新規事業推進室 蛍光体事業推進プロジェクトチーム
「『透明蛍光体』で実現する安心・安全の価値提供」
株式会社東芝は、グローバル規模でエネルギー・社会インフラ・デジタルソリューションなど多岐にわたる事業を展開しています。その中でも新規事業推進室(Nextビジネス開発事業部)ではグループ横断で新規商品・新サービスの創出事業に取り組んでおり、事業化のために、足りない機能を補完する運営プロセスを確立しています。
今回は、ポリマーに溶解すると無色透明となり、UV照射で強発光する応用範囲の広い新規蛍光体である「透明蛍光体」の事業化に向けた2つの共創案をお話しいただきました。サーガディアンリズム照明の領域では、計測・分析による夕焼け色の光のリラックス生体情報(脳波等)の測定機能を有する共創先との連携を提案いただきました。インビジブルなセキュリティシステムの領域では、コード・デザインの識別機能やデータプラットフォームを有する共創先との連携をご提案いただきました。

アジア航測株式会社 新規事業創造本部 ビジネス企画部 CVC室
「空間情報技術で社会をつなぎ地球の未来を創造する」
アジア航測株式会社は、航空測量のリーディングカンパニーとして歴史を重ねる中で、社内ベンチャー制度や新規事業の創出に積極的に取り組んでいます。直近では、社内外からのイノベーションを促進するため、新規事業創造本部やCVCの立ち上げを行い、スタートアップを含む外部連携を強化しています。
今回は、同社の空間情報技術について地図を例にご説明いただいた後、中期経営計画における新規事業部門の位置付けについてもご紹介いただきました。
CVCで求める共創テーマとして①気候変動に伴う自然災害の激甚化への対応、②脱炭素・カーボンニュートラルの実現、③空間情報技術の深化(新たなセンシング手法の追求)の3点を挙げ、重点投資領域を明示しながら、空間情報技術と親和性のあるスタートアップ企業との共創案をご提案いただきました。

前田建設工業株式会社
「ICI総合センター 空想を、ともに現実へ」
前田建設工業株式会社では、個人の購買・行動履歴もインフラデータも1つになったプラットフォームを構築し、市民に快適で安心・安全な暮らしの提供を目指しています。ICI未来共創センターは、中長期かつ俯瞰的視点から注力分野・具体技術を探索し、社外調達で迅速に獲得する役割を担っています。
今回はミッシングピースと同社のサポート体制を明示しながら、3つの共創ニーズを発信いただきました。
①風力発電の保守・点検においては、日本風力開発が企画・運営する風力発電の保守・点検作業の高度化に向け、小型飛翔物/ロボット技術等を有するスタートアップとの共創を期待しています。
②建設現場の領域では、建設現場での安全性および利便性の向上を図るイノベーション達成を共に目指すことができるパートナーを募集しています。
③IFCのまちづくり等の領域では、通りがかった人に合わせ挨拶やサプライズメッセージ・画像を掲出するサイネージ/季節や観光イベントに合わせて予約できるサービス等の共創を企画しています。

交流会
最後に、登壇者と参加者、さらに参加者同士が交流する場として、交流会を実施しました。登壇した4社ごとにブースを設け、参加者はそれぞれの登壇者と直接対話し、自社が提供するソリューションの紹介、今後の共創に向けた具体的な意見交換を行いました。
また、参加者同士の交流では、ホワイトボードに掲示された名刺と事業内容が記載されたコメントカードを手がかりに、関心を持った他の参加者と名刺交換や自社紹介を行うなど、活発なコミュニケーションが展開され、大いに盛り上がりました。


ご参加いただいた方の声を一部ご紹介いたします。
・自社や関連会社の持っているソリューションとの親和性が高そうな共創テーマがあり、協業可能性を感じました。
・登壇企業の技術や発想が興味深く、新たな学びの機会となりました。
・本イベントに参加し、コミュニティへ加入しようと思いました。
多くの方にご満足いただけるイベントとなりました。
令和7年度も後半に差しかかりましたが、まだまだ多数のイベントを開催していきますので、ご関心のある方は是非ご入会ください!
ぜひ下記よりコミュニティへのご入会をお待ちしています。
コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/
コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/