令和4年度 多摩イノベーションコミュニティ促進事業 リーディングプロジェクト成果報告会 開催報告 | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
令和4年度 多摩イノベーションコミュニティ促進事業 リーディングプロジェクト成果報告会 開催報告

令和4年度 多摩イノベーションコミュニティ促進事業 リーディングプロジェクト成果報告会 開催報告

イベント開催報告

 多摩イノベーションエコシステム促進事業では、多摩地域の社会的な課題や企業の特徴等を捉え、「環境・エネルギー」、「健康・医療」等の取り組むべき9つの重点テーマを設定しています。これらをテーマに、複数の企業等が連携して取り組む「リーディングプロジェクト」を昨年8月より進めて参りました。

 本成果報告会では今年度のリーディングプロジェクトとして製品・サービス検証に取り組んできた14プロジェクトが成果報告を行うとともに、多摩地域内外の連携や協業を生み出す多摩イノベーションコミュニティにおける活動について紹介しました。

 この報告では、当日のイベントの様子や参加者からのご意見を紹介します。

【基調講演】

〇「多摩地域でのイノベーション創出への挑戦」
京王電鉄株式会社 戦略推進本部 沿線価値創造部 課長
澤 昌秀氏

 京王電鉄株式会社 澤氏の講演では、多摩地区沿線における住宅開発の現状と人口にみられる多摩地域の特徴と課題を背景に、京王グループの理念である「住んでもらえる、選んでもらえる沿線」に向けた京王電鉄の挑戦についてご講演いただきました。その挑戦の一部として外部との連携を通じた新たな取り組みについて、自治体・UR都市機構・学校などとの連携による多摩ニュータウンでの取り組みや、リーディングプロジェクトにおける「街の花咲かプロジェクト」との連携などについてお話いただきました。

【リーディングプロジェクト成果発表 第一部 「環境・エネルギー/物流・モビリティ」】

〇レコテック株式会社「食品廃棄物関連データを活用した効率的な回収・再資源化の検証」(環境・エネルギー)

 八王子市との連携によるモデル事業への参画を通した、生ごみの発生に関するデータの収集・可視化による再資源化の効率化に向けた検証の成果について発表を行いました。

 本検証では、多摩地域の自治体等へのヒアリングにより、家庭系生ごみのデータの取得や再資源化プロセスの可視化・多様化といったニーズが自治体にあることを確認するとともに、八王子市と生ごみ資源化の取り組みを実施し、八王子市内の一般家庭から出る廃食油・生ごみについてデータ収集を行いました。回収したごみの組成分析の結果を基に、バイオガス発電やバイオディーゼル化を対象とした事業化実証を実施し、データの収集・可視化を行うことで自治体の生ごみリサイクルへ貢献することが示唆されました。

〇株式会社塩「セメント・コンクリート製造から再利用におけるCO2の排出削減に向けた技術検証」(環境・エネルギー)

 セメントと水に二酸化炭素を溶かすシステムを活用した、セメント・コンクリート製造プロセスにおける二酸化炭素リサイクルの可能性について、検証成果を発表しました。

 本検証では、セメントと水にCO2を溶解する装置「SIO」を用いることで、セメント水へのCO2溶解(固定化)が従来の2倍以上の性能を達成できることが分かりました。この結果を受け、ユーザーである建設会社と連携し、生コンクリート再利用現場環境適用に向けた製品試作・検証を実施したところ、現場環境においても原理検証同等の成果を達成しました。現場での運用面における課題についても、解決の方向性を確認し、現場適用に向けて取り組みを推進していく予定です。

〇アイフォレスト株式会社「多摩産の廃棄用等木くずを活用した新素材および製品の開発」(環境・エネルギー)

 多摩地域における廃棄用木くずを使った新素材・家具を開発・評価し、サーキュラーエコノミー型林業ビジネスの社会実装に向けた可能性について、検証を実施した成果を発表しました。

 本実証では、連携先の檜原村木材産業協同組合へ木くず等木材廃棄物に関するヒアリングを実施し、廃棄のコストや利活用ニーズを明確化しました。検証用製品サンプルとして木くずからソファーテーブルを製作し、環境配慮製品へのニーズや、適正販売価格帯について、エンドユーザーの評価を実施しました。その結果、家具としての品質に関して杉材との同等の性能を達成することができ、必要コスト等を踏まえた事業性の評価においても目標となる原価率を達成でき得ることが示唆されました。

〇株式会社B-STORM「自動走行搬送型ロボット(AMR)を活用した物流倉庫におけるカートピッキングシステムの検証」(物流モビリティ)

 倉庫のDX化、人材不足への対応に向け、AMRマルチピッキングカートシステムを開発・評価し、社会実装に向けた可能性について検証した成果について発表を行いました。

 本検証では、自動走行搬送型ロボット(AMR)マルチピッキングカートシステムを開発・試作し、3台のAMRを走行させ、渋滞なくピッキング場所まで自動で移動できることを確認しました。また、既存の倉庫システムから伝票の内容をピッキングシステムに自動で連携し、最短経路を検索するアルゴリズムを確認しました。その結果、本システムを運用することで、作業者の生産効率が上がることが判明し、ペーパーレスシステムによる伝票作業の効率化ができることが確認できました

【リーディングプロジェクト成果発表 第二部「地域課題解決」】

〇株式会社ハイメックス「中小製造業の業務改革に向けた多様な人材との連携サービスの検証」(ビジネスモデル改革)

 製造業の業務効率化と多摩の人材活用に向けた超短時間労働の担い手と切り出し作業依頼者への普及活動を行い、業務改革モデルの検証した成果について発表を行いました。

 本検証では、自社の生産ラインから4つの単純作業を切り出すとともに、連携事業者である障がい者支援施設や美容エステサロンの人材を活用し、作業担い手側のニーズを満たすことのできる事業スキームを検討しました。その結果、担い手側の環境として、特にグループで作業を行うことで安心感のある作業環境を提供できることがわかりました。また、作業依頼側としても、社員に付加価値作業を実施する時間が増えることで生産性向上に寄与できることがわかり、人材ニーズと生産性向上を満足することのできる事業スキームであることが示唆されました。

〇リブト株式会社「混雑アラートシステムを活用した避難所開設⽀援サービスの開発」(安心・安全

 八王子市と連携して避難所開設支援システムを開発・評価し、予測できない大規模災害の発生に対応できる取り組みについて検証した成果について発表を行いました。

 本検証では、避難所からボタン1つで避難所開設をお知らせする機能に加え、避難所の混雑状況や換気状況等を実装したシステムの試作品を設計・製作を行いました。試作品を用いた八王子市、他自治体との機能評価では、運用面・機能面で問題ないことが確認できるとともに追加機能等の新たなシステムニーズを得ることができました。また、自治体における災害時の情報伝達に係る課題の確認ができ、本システムがソリューションになり得ることを確認しました。

ジョージ・アンド・ショーン株式会社「見守りタグとICTを活用したシニア/子供の街歩き促進サービスの検証」(コミュニティ活性化)

 電鉄各社との協力により、ビーコンタグを利用した高齢者の外出促進や子供の見守りについて実施・効果測定し、地域コミュニティ活性化の可能性についての検証成果を発表しました。

 本検証では、見守りタグを活用したシニアの外出促進ポイントラリーおよび子どもの安心のための通学路整備”駅通過メール”の2施策に関する企画・実証を行いました。連携先電鉄会社の協力によりシニアや小児のユーザーおよび協力店舗等の協力を得ることができ、シニア参加者の日常的なタグの携行やポイントの獲得、子ども見守りの日常的な感知が確認できました。両施策において見守りタグを日常的に携行し続けるという目標が達成できるとともに、本企画がシニアの外出促進へのモチベーションアップにも一定効果が得られたことが分かりました。

沿線まるごと株式会社「奥多摩エリアの⼭間観光地における二次交通サービスの検証」(観光・レジャー)

 奥多摩‐青梅エリアの移動・交通を顧客体験として位置付けるツアーやレンタルを企画・実施し、移動における課題の価値への変換について検証した成果について発表を行いました。

 本検証では、環境に優しい2つのモビリティ(自転車、EVバイク)を設定するとともに、奥多摩エリアを体験する3つのツアーを造成するとともに、積極的な情報発信を行いました。ツアーは高い稼働率を確保することができ、参加者アンケートの結果から、体験ツアー・モビリティのレンタル共に、高い顧客満足度を確保できたことが分かりました。本検証結果より、移動における課題を、移動そのものを楽しみながら奥多摩地域を五感で感じる、顧客価値へ転換できたことが示唆されました。

【リーディングプロジェクト成果発表 第三部 「健康・医療/子ども・教育」】

〇株式会社ChiCaRo「アバターロボットを活用した遠隔保育サービスの検証」(子ども・教育)

 子育てロボットChiCaRoを用いて遠隔保育参観や遠隔親子教室の実施・評価を行い、ニーズや事業性について検証した成果について発表を行いました。

 本検証では、ChiCaRoの試作機の製作を実施し、保育園における遠隔保育参観と子ども広場における遠隔親子教室の2つの実証を実施しました。遠隔保育参観では、ChiCaRoを通して自然な子どもの様子を見る機会を保護者に提供し、遠隔親子教室では、ChiCaRoを通して保育の専門家が関わることにより、子どもの関わり方についての学びを保護者に提供しました。参加者アンケートより、利用満足度や継続的な利用希望、ロボットの受容に対して肯定的な意見が多数得ることができ、今後の社会実装に向けた示唆を得ることができました。

〇株式会社シンクアロット「こどもの主体性・探求心などを育み世界観を広げるオンライン国際交流プログラムの提供」(子ども・教育)

 本検証では、オーストラリアとタンザニアについての事前学習とオンライン交流を保育園にて実施し、大学教授の協力のもと、主体性、探求心、多様性理解に関する子どもたちの変化をプログラム提供前と提供後におけるスコアで比較し効果の検証を行いました。その結果、本プログラムの提供により子どもにポジティブな変化があったことが分かりました。また、園経営者へのインタビューを行い、幼少時のSDGs・国際経験は価値があると感じる一方で、自園での活動が不足している園が多く、本プログラムへのニーズがあることを確認できました。

〇株式会社BANSO-CO「子育て世代を対象とした心と体のトータルケアサービスの検証」(健康・医療)

 子育て世代に対して、個別ニーズに応じた心と体へのトータルケアサービスを提供・評価を行い、サービスのニーズや心身の不調改善・予防への効果の検証をした成果について発表を行いました。

 本検証では、オンラインのメンタルヘルスケア、理学療法士によるからだのセミナー・ケア、自然体験の組み合わせによる心身の健康を向上させるサービスを、病院等の協力先からの周知を通して実施しました。利用者のアンケート結果より、サービスとしての満足度100%が得られ、トータルケアサービスの必要性を確認することができました。また、本サービスのメンタルヘルスへの貢献度は、専門的指標を用いた分析結果からもポジティブな結果が得られました。

WALK-MATE LAB株式会社「遠隔での歩行リハビリを支援する歩行分析システムの開発」(健康・医療)

 クラウド上で確認可能な歩行分析システムを開発し、医師や患者等による評価を通した遠隔診療の展開に向けた検証成果について発表を行いました。

 本検証では、連携先である数井クリニックへのヒアリングをもとに、遠隔での歩行リハビリの支援を可能にするクラウド版歩行分析システムを開発しました。在宅患者宅における実証試験により、システムが問題なく利用できることを確認できました。さらに、クリニック関係者へのヒアリングから追加機能の開発も実施しました。本システムにより、医師が在宅患者宅に出向くことなく、患者の診察が可能であり、他の医師もクリニック内の端末から分析結果を確認できるため、医師の負担・拘束時間の削減に効果があることが示唆されました。

〇株式会社asai「月経状態を可視化するシステムの原理検証」(健康・医療)

 生理の不安や不満等を解決する、月経血を記録するアプリを開発し、ユーザーヒアリングを通した課題やニーズを通した検証成果について発表を行いました。

 本検証では、ユーザーインタビューを通して生理が生活に与える影響を調査し、解決策となるアプリのプロトタイプ開発を行いました。生理の3つの不(不安・不満・不便)について整理を行い、大規模ヒアリングによる深掘りに基づき、生理状態の記録や利用ユーザー同士でそれを共有することが可能なアプリを開発・検証を行いました。本検証の結果、生理の状態が把握できるアプリは、「生理に関する不安を安心に変えることができるソリューションである」ことが分かり、利用者の意識・行動変化を起こすことにも寄与していることが分かりました。

〇株式会社Kids Public「産婦人科・小児科オンラインシステムを活用した包括的医療相談サービスの検証」(健康・医療)

 日野市や三鷹市との連携による産前から産後までの継続的かつ対面サポートへの連携を見据えたオンライン医療相談システムを提供し、子育てへの不安の解消効果について検証を行った成果について発表を行いました。

 本検証では、日野市・三鷹市全体を通して、7ヶ月間にわたりサービスの提供を行い、計806件のオンライン医療相談の利用を得ることができ、妊娠中から子育て世代まで幅広い年代に一貫してサポートを行うことにより、多くの子育て世代の不安の軽減につながりました。また、相談後に自治体の対面サポート、連携先のあきやま子どもクリニックとのカルテ共有につながった事例も多数あり、秋山院長からは、対面診察ではリーチできない妊娠から子育ての疑問を引き出すことができ、サポートに拡がりがあったとのコメントをいただくことができました。

【交流会】

 自由参加の交流会では、リーディングプロジェクト各社の展示を見ながら、さらに深い情報交換やディスカッション、名刺交換などが行われました。

【ご参加者の声】

当日のご参加者にアンケートを実施した所、以下の様なお声を頂きました。

「リーディングプロジェクトの様々なアイディアを楽しんで聞かせてもらった」(中小企業)
「多様な社会課題に取り組む方がいることが改めてわかり、今後協力していきたいと思った」(大企業)
「各社の発表や交流会を通してたくさんのつながりができた」(スタートアップ企業)

多くの方に満足いただけるイベントとなりました。
今後もコミュニティ会員向けにイベントを開催していきますので、
ご関心のある方は是非ご入会ください!

コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/

コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

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