【令和7年度第2回技術支援ワークショップ】~製品開発上の技術課題を整理し、解決の糸口を見つける~開催レポート
令和7年度多摩イノベーションコミュニティにおける、第2回目の技術支援ワークショップ~製品開発上の技術課題を整理し、解決の糸口を見つける~を12月24日(水)にオープンイノベーションフィールド多摩国分寺館にて開催いたしました。
本ワークショップは、新たなビジネスアイデアやプロジェクト創出を阻害する技術課題を整理し、解決の糸口を見つけることを目的として開催しました。
当日は、課題を乗り越え製品開発に成功した3社に登壇いただき、リレートーク形式で取り組み紹介を行ったほか、技術課題の深掘りを促すグループワークを実施しました。さらに、プログラム後の交流会では参加者同士の活発な名刺交換や情報交換が行われました。
この報告では、当日の様子を紹介します。
【トークセッション】現場で感じた課題の見つけ方と、解決に向けた発想のヒント
トークセッションでは、白山工業株式会社 代表取締役社長 吉田稔氏、東成エレクトロビーム株式会社 代表取締役社長 上野邦香氏、株式会社アスペクト 取締役 早野洸揮氏にご登壇いただき、会社における課題と取り組み方、そして得られた気づきや参加者へのアドバイスについてご紹介いただきました。
白山工業株式会社

吉田氏からは、自社の事業承継や製品開発における課題と取り組みについて、具体的な事例を交えてご説明いただきました。ご自身の父親が創業した工業所を株式会社化し、事業目的が明確でない中で、中小企業の事業承継や経営の課題に直面したご経験を共有していただきました。特に、多摩地域の中小企業が抱える課題として、事業承継やネットワーク構築の重要性を強調しておられました。
また、自社では、独自技術による差別化を重視し、防災システムや極限環境ロボットなど、専門性の高い分野に取り組むことで競争力を高めてこられたことをご紹介いただきました。加えて、大手企業との協力体制のもと、社会課題解決型の事業展開を進めていらっしゃる点もご説明いただきました。
吉田氏は、事業環境や課題は時期によって変化するものの、持続的な成長には多様な人材や企業との連携、ネットワークの構築が不可欠であると述べられました。最後に、柔軟な発想と積極的な協力体制を通じて、新たな事業や顧客の創出、地域産業の発展に貢献したいとの意欲を語っておられました。
東成エレクトロビーム株式会社

上野氏からは、ものづくり現場が直面する課題に対し、粘り強く挑戦し続ける姿勢の重要性をお話しいただきました。特に、加工業からメーカーへの転換という大きな挑戦においては、設計部門の不在や資金面の制約といった困難を乗り越え、10年以上にわたり諦めずに製品開発に取り組んできたご経験をご紹介いただきました。
レーザー洗浄装置の開発では、従来の薬剤洗浄では対応できない課題に向き合い、現場の声を反映しながら改良を重ねてきた経緯をご説明いただきました。その結果、金型洗浄や錆・塗装除去など多様な用途で高い評価を得ており、累計販売台数も大きく伸びているとのことです。こうした取り組みは、産業界の課題解決や環境負荷の低減、脱炭素社会への貢献にもつながっているとご紹介いただきました。
また、東京都など行政の支援や補助金の活用も積極的に取り組まれ、外部の知見やアドバイスを取り入れながら、新しい分野にも果敢に挑戦しておられる点についてもご説明いただきました。上野氏は、「結果がすぐに出なくても諦めずに挑戦を続けること」「支援や連携を積極的に活用すること」「社会課題への対応を経営の中心に据えること」の重要性を強調され、今後も、熱意と誠実さを持って、課題解決型のものづくりと持続可能な社会の実現に貢献していく決意を語っておられました。
株式会社アスペクト

早野氏より、樹脂系3Dプリンター(アディティブ・マニュファクチャリング、AM)装置メーカーが直面する課題と、その解決に向けた具体的な取り組みについてご講演いただきました。
主な課題として、ユーザーが求める造形物の寸法精度の向上、造形速度の改善、装置の安定稼働や保守性の確保が挙げられるとご説明いただきました。これらの課題解決のため、レーザーや加熱制御などのプロセス最適化、AIを活用した品質や寸法の自動補正、材料メーカーとの共同開発による高性能材料の研究、ユーザー教育や設計支援など、多角的なアプローチを実施しているご紹介いただきました。
特に、材料メーカーやユーザー企業との連携を深めることで、実用化・量産化に向けたコミュニケーションを重視し、課題を明確化した上で社内の知見を取り入れ、改善を図っておられる取り組みについてもご説明いただきました。また、社内だけでなく、社外との繋がりを広げていくことで、仲間を増やしていく重要性についてもお伝えいただきました。
【グループワークセッション】
グループワークセッションでは、参加者の皆様に技術課題をグループごとに取り組んでいただきました。実際に課題へ取り組まれる際のプロセスをご体験いただき、同じグループ内の他の方の発想方法や着眼点を学び、自社の課題解決のきっかけ作りとなることを目的に実施いたしました。
具体的には、与えられた課題を分析し、根本課題を発掘した後、解決策を検討し、最終的には1つの解決策を決定していただきました。

各グループにはファシリテーターが付き、参加者はグループワークで与えられた課題を繰り返し分析することで、根本課題を導き出しました。その後、解決策を検討・議論していただきました。参加者は、課題の分析を通して、立場や職種が異なる方での着眼点の違いを実感し、ご自身にはない発想法や視点に気づきを得ておられました。
【交流会】
交流会では、ファシリテーターとして参加いただいた多摩テクノプラザ(東京都立産業技術研究センター)様から、中小企業向けの支援内容や取組についてご紹介いただきました。
○多摩テクノプラザ
https://www.iri-tokyo.jp/about/organization/tama/
主な支援内容:技術相談や依頼試験の実施 等
その後、参加者同士で情報交換やネットワーキングの時間を設け、活発な交流が行われました。多摩イノベーションコミュニティの参加者間の更なる交流促進が期待されます。

【参加者の声】
ワークショップへの参加者からは
・「新しい視点で課題の解決法を知れた」
・「他社の取り組みや意見が聞けた良い機会だった」
などの感想があったほか、今後のワークショップへの期待や意欲も寄せられました。
ワークショップ以外にも、多摩イノベーションエコシステム促進事業「多摩イノベーションコミュニティ」ではさまざまなイベントを開催しています。ご関心のある方、事業者様は是非ご入会ください!
ぜひ下記よりコミュニティへのご入会をお待ちしています。
コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/
コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/