プロジェクトチーム
- 株式会社塩
- 東京都公立大学法人東京都立大学
背景
セメント・コンクリート業界で排出されるCO2は、セメント製造プロセスの工程で石灰石の処理で発生するCO2と、その処理に必要な高熱炉から発生するCO2があります。
本業界で発生するCO2は日本全体のCO2発生量のうちの3.4%(2019年実績、環境省データ)を占めており、本業界におけるカーボンニュートラルを実現するための取り組みが必要と考えられます。
取り組み内容
セメント・コンクリート製造時におけるCO2の総排出量を削減させるため、自社の機能バブル水生成技術を活用し、CO2を高濃度でセメント水に溶解させ、そのセメント水をコンクリート製造に活用することでCO2を固定化(他の炭素化合物としてCO2を留めること)させる技術の検証を行います。
本プロジェクトでは、都立大学との連携により、機能バブル水生成技術を活用した場合の、セメント水に対してCO2が溶解しやすい条件(注入流量や圧力など)についてデータを収集し、CO2固定化の効率性を追求します。また建設会社と連携した実証実験により、社会実装に向けた課題を抽出します。
プロジェクト取り組みの結果
セメント水へのCO2溶解(固定化)に関する原理検証において、従来の2倍以上の性能を達成できました。この結果を受け、本技術をセメント水(生コンクリート)再利用の現場に社会実装する方向性を明確にしました。
ユーザーである建設会社と連携し、生コンクリート再利用現場環境適用に向けた製品試作・検証を実施し、生コンクリート再利用現場環境においても原理検証同等の成果を達成しました。また、現場での運用面における課題(つまりが発生して運用を阻害)も発生しましたが、検証の結果、内部構造をカスタマイズすることで課題を解決できることがわかり、現場適用に向けて取り組みを推進しています。
プロジェクトの実績
会社情報
会社名 | 株式会社塩 |
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設立 | 2008年8月 |
本社所在地 | 東京都八王子市横山町21-12 池田ビル2階 |
ウェブサイト | https://sio-miu.co.jp/ |
事業内容 | 当社はファインバブル生成器の装置メーカーです。ファインバブルを活用し、工作機械・加工分野、半導体製造工程や各種洗浄工程での「原単位改善率の向上」を得意としております。標準製品に加え、顧客が抱える問題点や課題に合わせたオリジナル製品の開発業務、工程改善、生産性向上に関するアドバイスや提案なども行っております。 |