産婦人科・小児科オンラインシステムを活用した包括的医療相談サービスの検証

コロナ禍による対面ネットワークの希薄化、現代の核家族化、インターネット上での情報氾濫等、子育てを取り囲む環境は厳しいものとなり、東京都内での虐待報告数も過去最悪のレベルとなるという残念な状況にあります。さらに、 妊娠、出産、子育て孤立予防に重要な役割を持つ小児科、産婦人科の医師の人口あたり医師数が全国平均よりも少ない、という多摩地域の特徴もあります。

スマートフォンから現役の産婦人科医、小児科医、助産師に相談可能なオンライン医療相談「産婦人科・小児科オンライン」を三鷹市、日野市（2022年8月25日追記）等の住民へ提供し、妊娠中から子育ての一貫サポートを行います。
また、自治体や地元クリニックと連携を行い、相互紹介を実施し、対面サポートとの融合を検証します。

日野市・三鷹市全体を通して、７ヶ月間にわたりサービスの提供を行い、計806件のオンライン医療相談の利用がありました。0歳児家庭の利用者が最も多くなりましたが、妊娠中やその他年齢の子を育てる家庭の利用も3割程度あり、妊娠・子育ての一貫サポートを行うことにより、多くの子育て世代の不安の軽減につながりました。

また、相談後に自治体の対面サポートへつなげた実績が2件あり、連携先のあきやま子どもクリニックとのカルテ共有の実績が16件ありました。秋山院長からは、対面診察ではリーチできない妊娠～子育ての疑問を引き出すことができ、サポートに拡がりがあったとのコメントをいただきました。
サービス利用者からは「また利用したい」「不安の軽減につながった」等の評価をいただき、子育ての不安の軽減効果も検証できました。