令和5年度第6回ワークショップ『多摩の先駆者等に学ぶ協業のポイント ~福祉、自然環境、大学発ベンチャー企業との交流~』 | 多摩イノベーションエコシステム促進事業
令和5年度第6回ワークショップ『多摩の先駆者等に学ぶ協業のポイント ~福祉、自然環境、大学発ベンチャー企業との交流~』

令和5年度第6回ワークショップ『多摩の先駆者等に学ぶ協業のポイント ~福祉、自然環境、大学発ベンチャー企業との交流~』

コミュニティレポート

新規事業の創出に向けて、先進的な事例に取り組むゲストの方々から協業のポイントを学び、その後の交流を通じて協業先を見つけるための交流・連携ワークショップを令和5年12月に開催しました。

 「自然・環境」をテーマに地域コミュニティ創りに取り組む方、そして令和4年度リーディングプロジェクト選定企業から取組のご紹介と協業にあたってのポイントについてご紹介いただきました。その後、登壇者と参加者による交流セッションを設け、協業の可能性等について積極的な意見交換を行いました。 この報告では、当日のイベントの様子や参加者からのご意見を紹介します。

イントロダクション

―概観説明―

 まず初めに事業開発における企業連携の進め方や目的、効果・課題について事務局から説明いたしました。中小企業庁「小規模事業白書」によれば、社内にはないリソースの獲得を目的として企業間連携に取り組む企業が多く、8割以上の企業が企業間連携の効果を実感しているとの調査結果が出ています。
一方で、企業間連携の課題として、「連携による効果がわかりづらい」をあげている事業が多いとの結果も出ています。

 そこで、企業間連携における課題の解消に向け、「人的ネットワーク構築におけるポイントを把握する」「協業事例から具体的なヒントを得る」「将来的な連携を見据えて様々な参加者と交流する」という点を軸に、今回のワークショップを開催しました。

―参加者自己紹介―

 参加者同士を知り、後半の参加者交流セッションで交流したい相手を見つける時間とするため、各参加者から全体に向けて氏名、所属企業、参加目的についてお話しする自己紹介を行いました

トークセッション

―ビジョンで繋がる地域コミュニティの創り方 -自然保護プロジェクトの実践- ―
インタープレナー/SUNDREDパートナー 山口 有里氏

 山口氏のご講演では、「人が活動するほどに、産業が発展するほどに、生態系が回復し、生命が反映する未来」へとつながるリジェネラティブな視点にたった新産業の創出についてご説明がありました。なかでも、森に人が関わるほどに、生態系が回復し、人々の心も暮らしも豊かになる、「フォレスト リバイタライズ産業」について、森林のデジタル化やTsumikiプロジェクト等の具体事例をご紹介いただきました。

TIS株式会社クリエイティブディレクター 伊藤 淳氏

 伊藤氏のご講演では、「環境アクションのマインドをポジティブ化」し、「地域に眠る森林資源の循環活用」を解決するための取組として立ち上げたWOOD DREAM DECKについてお話しいただきました。WOOD DREAM DECKでは、オンラインの場づくり、ブロックチェーン技術を活用したトークンの発行による森林と人のかかわりを増やす・広げる取組、地域木材製品の付加価値を上げ再造林に還元する取組の3つに取り組んでいます。2023年3月より、埼玉県横瀬町を舞台に取組を開始し、その1つの成果として地域材を用いたサウナを整備したこと等についてご紹介いただきました。

ートークセッションー
インタープレナー/SUNDREDパートナー 山口 有里氏
TIS株式会社クリエイティブディレクター 伊藤 淳氏
ファシリテーター:事務局 市川

 トークセッションでは、協業先となる仲間の見つけ方、今後の取り組みについてご意見をいただきました。

 まず協業先となる仲間の見つけ方について、山口氏からはこの人とつながることで新たな産業が生まれるという仮説のもと、そのような方に会って話をしていくという対話が第一歩であるとのご意見をいただきました。伊藤氏からは、自分たちがやりたいと考えていることの世界観に実績が伴うことで、つながりをつくるきっかけが生まれるとのご意見をいただきました。
また、伊藤氏のご意見を踏まえ、山口氏より実現したいものに成果を伴わせることで旗を立てることができ、結果的に旗のもとに仲間が集まるとのご意見もいただきました。

 今後の取り組みについて、山口氏からは、人にとって大事な自然を残すことに注力し、森の空間を教育やエンタメに活用するといった取組を検討していること、多様な方との連携を通じてミクロの活動を増やしマクロ的なインパクトにつなげていきたいとの考えについてお話をいただきました。
伊藤氏からは、森林と企業をつなげることで、企業及び森林産業にかかわる方が森の価値や新しい価値体験を創造できるという新たな気づきを提供したいとのご意向が聞かれました。

―遠隔での歩行リハビリを支援する歩行分析システムの開発―
WALK-MATE LAB株式会社 村方 正美氏

 村方氏のご講演では、プロジェクトの提案に向け、保有するシーズ技術の展開の可能性、ニーズへの対応策の検討、協業先の発掘という3つの視点をご説明いただきました。村方氏からは、多様な機会を通じてネットワークの拡大・強化を図ること、協業に当たって各メンバーにどのようなメリットがあるかという点について整理することが重要であるとのご意見をいただきました。また、プロジェクトを進める中で、方向性や現状の確認といった協業先との密な情報共有が不可欠とのアドバイスもいただきました。

―多摩産の廃棄用等木くずを活用した新素材および製品の開発―
アイフォレスト株式会社 丸山 孝明氏

 丸山氏のご講演では、リーディングプロジェクトで開発した製品において重視したポイント3点についてご説明いただきました。1点目は、マーケットニーズから逆算し、PoC(概念実証)を短期間に繰り返し、早期に市場に合致したプロダクトの開発を実現すること、2点目は、売り手、買い手、地域社会の「三方よし」という体制を構築すること、3点目は、回収した製品を再製品化できるというサーキュラーエコノミーの思想に基づいていることです。
また、協業先とはサーキュラーエコノミーについて学ぶ場を通じて接点を持ったことがきっかけとなっており、多様な機会を活用することが協業先を見つける上で重要であるとのご意見もいただきました。

参加者交流セッション

参加者交流セッションでは、事業推進で課題を感じていることや、これから進めようとしている事業アイデアのご紹介、連携の可能性をテーマに、各参加者が積極的に議論し、活発な交流が行われました。

交流を通じて、具体的な連携の可能性を見出すことができた参加者もいて、実証実験の参画に向けた相談を進めることや、協業に向けた打ち合わせの設定等の具体的なアクションに結び付いていました。

参加者の声

ご参加いただいた方の声を一部ご紹介致します。

  • 異業種の方との交流があり、新たな気づきがあった(スタートアップ)
  • 地元多摩での仕事に発展しそうな出会いがあった(スタートアップ)
  • パネルディスカッション登壇者、自治体、金融機関など様々なステークホルダーの方と交流ができて有意義であった(中小企業)
  • 似た興味関心や同じ境遇・環境の方との交流もあったため、連携に直結できるような情報交換もできた(スタートアップ)

多くの方に満足いただけるイベントとなりました。
今後もコミュニティ会員向けにイベントを開催していきますので、
ご関心のある方は是非ご入会ください!

コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/

コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

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