【令和7年度プロジェクト創出ワークショップ】第2回リバースピッチ 開催報告

地域課題解決に繋がる事業開発を促進させることを目的に、企業や自治体等が解決したい課題を発信し、その解決策を募る第2回リバースピッチを武蔵野プレイスにて開催いたしました。
第2回は、区部に所在する企業3社と多摩地域の自治体1者の計4者が共創案実現に向けたピッチを行いました。この報告では、当日のイベントの様子や参加者の皆様からのご意見を紹介します。
本事業のご説明
事務局より本事業の全体像及び今年度の取組についてご説明しました。
事業の一つの柱である多摩イノベーションコミュニティで今年度取り組んでいるイベントとして、3種類のワークショップについてご紹介しました。そのうちのひとつで、今回開催する「プロジェクト創出ワークショップ(リバースピッチ)」では、地域課題解決に取り組む大企業や自治体等が抱えている課題やニーズについてご紹介いただき、マーケットイン型のプロジェクト創出に繋げることを目的としています。

次に、ワークショップ等を通じて整理したビジネスアイデアの具現化に寄与する「ビジネスアイデア具現化支援」についてご説明しました。本取組では、多摩地域の課題解決に向けたビジネスアイデアを募集し、審査・選定後にビジネスアイデアの具現化に向けた個別支援、費用支援を実施します。

リバースピッチ
登壇4者より、各者の紹介と共創ニーズ、共創パートナーについてのご説明をいただいたのち、参加者からの質疑応答を行いました。
▼ピッチの様子はこちら
https://tama-innovation-ecosystem.jp/info/community/4901/
三菱自動車工業株式会社 新規事業開発・VC推進本部
「ラストワンマイル物流への取組み」
三菱自動車工業株式会社は、三菱重工業時代からの実績と伝統を継承し、乗用車から商用車まで開発・生産・販売する自動車総合企業です。販売台数における海外比率が約85%を占め、アジアをはじめとする新興国マーケットに向けた商品開発や、世界のニーズに適した独創的で存在感のある商品・サービスを展開しています。
同社は中期経営計画「Challenge2025」の長期ロードマップにおいて、新たな収益の柱を創出するべく、2023年4月に営業部門内に「新規事業開発・VC推進本部」を新設しました。新規事業開発・VC推進本部では三菱自動車のアセットを活用し、バリューチェーン領域を中心にさまざまな「新しいビジネス」を探索することを目指して活動しています。
ラストワンマイル物流においては、従来の車両販売やVC(周辺商品)の販売に加え、社会課題になっている「2024年問題の解決」に繋がる新しい商品・サービス(事業化)の実現を図ります。ミッシングピースやビジネスモデルイメージを明示しながら、共創案①新モビリティ/サービスと共創案、②配達員の業務効率化をご提案いただきました。
今回は焦点を絞ったトピックを取り上げていただきましたが、同社では幅広い領域での連携協業アイデアを募集しています。

国際航業株式会社 先端技術開発部 調査企画グループ
「災害時対応~ドローンや各種計測技術による情報収集と管理について」
国際航業株式会社は、国土保全、防災・減災、社会インフラ整備、環境・エネルギーなど、人々のくらしに関わる幅広い分野で空間情報を活用した専門性の高い技術サービスを提供しています。創業より培った測量・分析などの技術により世界的な社会課題の解決に真摯に取り組み、持続可能な社会を次世代に引き継ぐことを目指しています。
今回は安心・安全と物流・モビリティの2つのテーマから、多摩地域の課題に沿った共創案をご提案いただきました。
安心・安全のテーマでは、ドローンによる初動調査・情報収集・データ解析を行い、広域災害発生時における意思決定支援について、検討・導入ステップとともにご説明いただきました。全国の自治体・他社との「ドローン×3Dデータ」を活かした災害対策モデル構築の事例についてもご紹介いただきました。
物流・モビリティのテーマでは、ドローン物流の背景や政策の動向を踏まえ、新たな公的インフラとしての3D地図の提供および技術開発についてご説明いただきました。ドローンファンドの投資企業による配送事業事例として、ドローンによる新聞配達やフードデリバリー、ドローン運航におけるAIを用いた運航コストの削減等の事例をご紹介いただきました。

八王子市 まちなみ整備部 公園課
「公園の新たな活用方法 ~発生材とまちづくり~」
八王子市は豊かな自然環境と共生する都市景観が特徴であり、高尾山をはじめとする自然環境、地域ごとの個性ある資源、歴史的背景を活かしたまちづくりが進み、日本の伝統的な里山的要素を残した公園整備を実現しています。西部、北部、中央、西南部、東南部、東部の6地域にはそれぞれの魅力や資源が豊富に存在し、中心市街地では都市機能が充実してします。
今回は、まちなみ整備部公園課が抱える、①発生材の処理、②公園管理、③まちづくりの3つの課題について、それぞれ共創案をご説明いただきました。
①発生材の処理においては、公園管理における発生材の処分を巡って公園管理の質、公園の質の低下といった問題が顕著化していることから、バイオマス発電やアップサイクル等による発生材の有効活用に関する共創案をご提案いただきました。
②公園管理においては、公園課のシステム共有ができず、情報伝達に手間がかかっている点、場所の特定が難しくスムーズな対応ができない点から、公園の樹木伐採並びに管理業務のDX化による処分/管理費用の削減に関する共創案をご提案いただきました。
③まちづくりにおいては、開放的な自然、使用していない施設などを使用した新しい取り組み創出に向け、市内の公園の土地を利用したサービスの展開による周辺地域の活性化に関する共創案をご提案いただきました。

株式会社丸井グループ・共創投資部
「丸井グループの取組のご紹介」
株式会社丸井グループは新たな経済領域として、機能や価格にとらわれず一人ひとりの感情や価値観の原動力となる「『好き』が駆動する経済」を打ち出しています。
同社はこれまで、小売・フィンテック・共創投資の三位一体のビジネスを目指してまいりましたが、今後はフィンテックを中心に、イベント、グッズ、サービス、共創投資、事業開発、そして人・組織・働き方など、すべてを通じて「好き」を応援するビジネスへと転換してまいります。
また、同社は、将来世代の未来を共に創る、、一人ひとりの「好き」が駆動する経済を創る、働く人の「フロー」を生み出す社会を創るという3つのインパクトを重視しており、オープンイノベーションの確実な成功に向け、共創チームを新設し共創に取り組んでいます。
加えて、「好き」を応援するビジネスの一環として、全社員参加型の「好き」を応援するコンクールについてご説明いただきました。この取組は、今後社内外に開かれた共創の場へと進化し、ソーシャル・イントラプレナーによる事業開発を目指しています。
同社は共創から生まれるイノベーションを新たなビジネスに育てていくべく、このスキームに賛同してもらえるパートナーを広く募集しています。

交流会
最後に、登壇者と参加者、さらに参加者同士が交流する場として、交流会を実施しました。登壇した4者ごとにブースを設け、参加者はそれぞれの登壇者と直接対話し、自社が提供するソリューションの紹介、今後の共創に向けた具体的な意見交換を行いました。
また、参加者同士の交流では、ホワイトボードに掲示された名刺と事業内容が記載されたコメントカードを手がかりに、関心を持った他の参加者と名刺交換や自社紹介を行うなど、活発なコミュニケーションが展開され、大いに盛り上がりました。


ご参加いただいた方の声を一部ご紹介いたします。
・大企業の方のもたれている視点や自分の知らない業界の知見を知ることができて、とても勉強になります。
・社会課題へ尽力されている他社の取組を聞くことができ、自社の可能性についてもヒントが多くありました。
多くの方にご満足いただけるイベントとなりました。
本年度も多数のイベントを開催していきますので、ご関心のある方は是非ご入会ください!
ぜひ下記よりコミュニティへのご入会をお待ちしています。
コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/
コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/