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イベント開催報告

【令和7年度海外展開ワークショップ】~トランプ関税等の国際情勢とサプライチェーンの最新動向~開催レポート

 国際情勢を踏まえ、海外展開やグローバル視点でのサプライチェーンを考えることを目的とした海外展開ワークショップ「トランプ関税等の国際情勢とサプライチェーンの最新動向」を2025年6月13日(金)に、オープンイノベーションフィールド多摩国分寺館にて開催いたしました。

 当日は、海外展開に取り組む事例企業として製造業2社に登壇いただき、講演やパネルディスカッションを交えて取組内容を紹介しました。また、製造業の海外展開に精通した専門家による基調講演や、海外展開とサプライチェーンの再検討に向けたグループワークを行い、今後の海外展開を見据えた情報提供やディスカッションを実施しました。
 プログラム後の交流会では、参加者同士の活発な名刺交換や情報交換が行われました。

この報告では、当日の様子を紹介します。

【第1部】事例紹介

 事例紹介では、株式会社由紀精密の天満史郎氏と株式会社志村精機製作所の淺野雄三氏をパネリストにお迎えし、国際情勢をどのように捉え、自社の海外展開にどう繋げたかを中心に講演いただきました。

株式会社由紀精密 取締役執行役員 天満史郎氏

 由紀精密はフランスに子会社を持つ、神奈川県茅ケ崎市の高精度部品製作会社です。航空宇宙や医療など先端分野を専門とし、取引先には大手航空機メーカーほか、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や宇宙ベンチャーが並びます。

 天満氏からは、『リアル下町ロケット~由紀精密から見るグローバル情勢と海外戦略~』のタイトルのもと、小さな町工場だった由紀精密が海外展開を志向したきっかけや、フランス現地法人の設立経緯、タイにおける開発段階からの海外連携についてお話しいただきました。日本企業は意思決定スピードや保守的な企業文化といった面で弱点があるものの、技術力・標準品質の高さが評価される、と海外展開へのチャンスを強調しました。

株式会社志村精機製作所 専務取締役 淺野 雄三氏

 志村精機製作所は東京都大田区に所在する精密部品加工会社であり、近年、海外へ販路を拡大しています。医療、半導体関連などの部品加工を行っており、設計から製作・成形・検査までの一貫体制で多品種小ロットの試作から量産まで対応できることを強みとしています。

 淺野氏からは、『海外展開のステップ ぶつかった壁と乗り越え方』というタイトルのもと、国内市場の伸び悩みへの危機感から海外展開に踏み切った経験をお話しいただきました。志村精機製作所は海外現地で直面した様々な課題を、”町工場ならでは”の工夫で解決し、海外展開への道を開きました。淺野氏は、自社の経験から「準備・忍耐・柔軟さ」が海外展開のカギになると語り、中小企業こそが海外で活躍できるというメッセージを伝えました。

 パネルディスカッションでは、海外ビジネス特有の壁、中小製造業がグローバルで生きる道、国際展示会への出展や昨今の海外情勢を踏まえた今後の方針などについて、活発な意見交換が行われました。

 続く質疑応答セッションでは、社内に英語人材を確保するための方法や、自社技術のアピール方法などについて、複数質問が寄せられました。

【第2部】基調講演~揺らぐ国際秩序、企業が直面する課題と対応~ 

 基調講演では、日本貿易振興機構(JETRO)伊藤博敏氏にご登壇いただき、昨今の国際情勢をふまえ、製造業が直面する課題と今後の対応方法についてご紹介いただきました。

日本貿易振興機構(JETRO)調査部 国際経済課 課長 伊藤博敏氏

 伊藤氏からは、日本企業を取り巻く国際情勢と米国トランプ政権の通商政策を踏まえ、今後の米中関係と日本の立ち位置についてお話しいただきました。昨今の世界経済の不確実性は過去最高水準に達しており、貿易・投資・供給網の面で世界的な混乱を招いていることを指摘しました。企業にとっては、正確・迅速に情報を把握しながら、自社のサプライチェーンにおける損失の最小化を目指すことが重要になると語りました。

【第3部】グループワークセッション

 グループワークセッションでは、参加企業の皆様に自社の海外展開や今後のサプライチェーンの見直しに向けたワークを行っていただきました。

 具体的には、解決に向けたアクションと対象国の検討に向け『in / out マップ』(※下図ご参照)というフレームワークを使用しました。本マップは海外展開に向けて「どこで」調達・製造し、「どこへ」販売するかを検討するもので、「 In(国内)」と「 Out(海外)」を掛け合わせ 4つの象限で示されます。このプロセスを通じて、調達・製造と販路開拓の論点をシンプルに整理しながら、グループ内の参加企業とのディスカッションを通して、実践的なアイデアに落とし込みました。

 各グループにはファシリテーターが付き、海外展開に関するグループディスカッションの内容や、議論の中で生まれた新たな視点について、会場全体へ発表しました。さらに、事例企業と登壇者からもフィードバックをいただき、今後の海外展開に向けて行動を起こす際のマインドや留意点についてご教示いただきました。

【交流会】

 プログラム開催後には、参加者同士で交流・ネットワーキングの時間を設け、相互の事業内容や海外展開の方法について活発に意見交換が行われました。多摩イノベーションコミュニティの参加者間の更なる交流促進が期待されます。

参加者の方の声を一部紹介いたします。

  • 海外展開に取り組む際の苦労や工夫などを知ることができた
  • 国際情勢をふまえた海外展開の重要性について、理解を深めることができた

 ワークショップ以外にも、多摩イノベーションエコシステム促進事業「多摩イノベーションコミュニティ」ではさまざまなイベントを開催しています。ご関心のある方、事業者様は是非ご入会ください!

ぜひ下記よりコミュニティへのご入会をお待ちしています。
コミュニティの入会概要と申し込みページ
https://tama-innovation-ecosystem.jp/community/
コミュニティで今後予定しているイベント
https://tama-innovation-ecosystem.jp/event/

当コミュニティの詳細や最新のイベント情報は
下記ページよりご確認ください